「はじめての戦略の教科書」出版記念セミナー 酒井穣
「はじめての課長の教科書」に続く著作、「あたらしい戦略の教科書」の出版記念講演です。ベストセラーを連発している出版社、ディスカバー社の主宰で無料招待です。ディスカバーさんありがとうございます。
オランダ在住の酒井さんは、その優しい文章や文体に似合わず(?)大柄で迫力のある方でした。
お顔は、写真でちらっと見たことがあるだけでしたが、とても雰囲気のある方で、一目見てすぐにわかりました。
よく通る声と親しみやすい口調、素敵な方です。
講演のテーマはもちろん「戦略」。
オランダと日本の文化差異を通して、「差別化」というキーワードで、戦略について語られました。
日本の戦略不在とはよく言われることですが、犯罪抑止の面におけるオランダの戦略には感動すら覚えました。
日本の刑務所に入っている人の殆どは、麻薬に絡む犯罪によるものだそうです。麻薬の密売や所持はもちろん、麻薬欲しさから強盗や売春といった罪を犯す人が多いとのこと。そのために日本がとってきた対応は、厳罰化や空港での手荷物検査です。その結果どうなったかというと、それらの犯罪のアンダーグラウンド化です。状況は悪くなるばかりです。酒井さんに言わせると、これらは「ソリューションとは言えない」。
一方オランダ。ご存知のとおり麻薬のうちマリファナを合法化するという大胆な政策をとっています。ここで誤解なきよう付記しておくと、オランダ国内においても「麻薬は悪」という考えは社会的合意を得ているとのことです。では、なぜマリファナを合法化したのか。
ここがオランダの高度な戦略性です。
禁止しても地下に潜るだけであれば、それを把握してコントロールしてしまおうというのです。マリファナをやっていると、さらに強いクスリが欲しくなる。そのときオランダ人は、それを手に入れるために強盗をするのではなく、病院にいくそうです。病院に行くとメタボンという麻薬のような薬物を無料で処方されるそうで、これで禁断症状を乗り切る。そして病院は麻薬中毒者の情報を入手する。これを政府が把握する、という仕組みです。
そのためオランダでは一桁単位まで、麻薬中毒者の数を把握しているそうです。
そのうえでそれらの人々をコントロールする。
どうでしょう。臭いものにフタをする我々日本人とは発想が違うのではないでしょうか。
利息制限法と出資法の間の金利、いわゆるグレーゾーン金利の問題に対する対応にも同じことが指摘されていました。金利引下げは根本的な解決にならない、地下経済に流れるだけだと。
日本人はどうこうという言い方は好きではないのですが、戦略性という点においては、われわれ日本人ももう少し計算高い発想をしていくべきなのでしょう。
ちなみに酒井さんは現在3作目を執筆中だそうです。期待して待ちましょう。





