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『「有価証券の引受け等に関する規則」等の一部改正について』 について

2010年06月30日
「isologue」「CFOのための最新情報」などで既に取り上げられていますが、昨日来、私も思うところをtwitterで少しつぶやいたりしています。

何の話かというと、日本証券業協会
『新規公開前に行われる不適切な自己募集を規制するための 「有価証券の引受け等に関する規則」等の一部改正について(案)』
と題する規則改正案のパブリック・コメント募集の件。

これまで全くスルーしていましたが、磯崎先生のつぶやきを発端にこちらのBlogを拝読し、「これはとんでもない話だ」と気づいた次第です。

思い切り簡単にいうと、
「ベンチャー企業が赤の他人に出資してもらったら、原則としてIPOできなくなる」
という、びっくりするような改正案なのです。

未公開株詐欺事件を防止するための解決策としては下の下の策としかいいようがありません。
というよりも、「解決策」と呼べるような代物ではありません。


ご存知の方も多いかと思いますが、金融商品取引法上、50名以上に対して出資を募った場合には「募集」というものに該当し、有価証券届出書の提出が要求されます。
そうすると「継続開示会社」という扱いを受け、それ以後ずっと、有価証券報告書の提出義務が生じてしまいます。
有価証券報告書を提出するには監査法人の監査を受ける必要がありますので、当然多大な費用がかかるわけで、非上場の会社にとっては、増資時や場合によっては新株予約権発行にあたり、被勧誘者が50名を超えることがないよう非常に気を使うところでもあります。
しかしこのような50名以上に出資を募った場合は、発行会社は有価証券届出書を提出しているはずですので、今回の規制の適用が除外されます。

今回の改正案は、50名未満への勧誘、つまり「私募」につき、個人投資家に出資をしてもらった会社の株式公開を原則禁止としてしまおうというものです。
「その他本協会が第1号から第3号(注:有価証券報告書・有価証券届出書を提出していた場合や、役員とその家族などが出資した場合)に準ずると認めたとき」には適用が除外されるので、実運用上はここで篩にかける腹づもりなのではないかと思います。
しかしこれでは必要なときに個人投資家からの出資を受けることが難しいのは明白です。

ところで、今回の日本証券業界のリリース冒頭には、以下のような文言があります。


新規上場を予定している発行会社においては、通常、上場前に個人投資家に対して自己の発行する株券の勧誘行為を行うことはないものと考えられる



どんな調査をしたのでしょうか。
私が知る限りにおいても、設立時や設立直後のベンチャー企業が、個人投資家に出資してもらうケースは数多くあります。
客観的なデータを持っているわけではありませんが、「ないものと考えられる」というのは明らかに事実を誤認しています。

また磯崎先生も指摘しているように、「未公開株詐欺」というのは「もうすぐ上場する会社の株式を買いませんか?」と言って騙すものなので、本気で上場しようとしている会社に規制をかけても何の意味もないわけです。
さらに言えば、既に個人投資家からの出資を受けている会社は当然、「出資者の方には上場して恩返しをしたい」と考えているわけで、上場の道が閉ざされるとそれこそ「詐欺」みたいなことになってしまいます。

そのようなわけで、全く理解できない今回の規則改正案。
ベンチャー企業に関わる一会社員としても、断固反対したいと思います。


------
(追記)
大杉先生のブログにおいても、この問題が取り上げられています。





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細野祐二会計士の有罪確定に関する簡単なメモ

2010年06月03日
司法に経済犯罪は裁けるか司法に経済犯罪は裁けるか
(2008/08/05)
細野 祐二

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表紙の指毛がちょっと気になるこの本の著者である、公認会計士の細野祐二さんの有罪が、最高裁で確定したそうです。

この話題は、いつも拝読している「CFOのための最新情報」さん、「ビジネス法務の部屋」さんなどでも、既に取り上げられているのでご存知の方も多いかと思います。

「司法に経済犯罪は裁けるか」というテーマで、企業会計原則に則っている(と信じて)会計処理を行うことが、裁判所によって否定されることに警鐘を鳴らしていた著者に関する判決だけに、公認会計士である「CFOのための最新情報」の武田先生と「ビジネス法務の部屋」の山口先生の論調も、それぞれの立場(というよりは思考方法というべきでしょうか)から若干違いが見られる点も興味深いところです。
武田先生はあまり多くを語ってはいませんが・・・



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株式会社エフオーアイの粉飾決算事件 その後

2010年05月23日
先日のエントリーで、株式会社エフオーアイの粉飾決算疑惑について触れましたが、関係者の方を含めて、当該エントリーに随分アクセスが集中しています。

検索ワードも、エフオーアイ社やその監査法人、主幹事証券を調べるためのものが多く見受けられます。
ちなみに監査を行っていた桜友監査法人に関する詳細な情報は日本公認会計士協会のHPで見ることができます。
この情報によれば、桜友監査法人はほかにもいくつかの上場企業の監査を行っているようですので、少なからず影響が出ることが予想されます。

主幹事証券であるみずほインベスターズ証券の責任がどこまで問われるのか、私には全く予想がつきませんが、監査法人の次に責任を問われる立場であることは間違いないでしょう。ちょっとお気の毒な気がします。
このままでは主幹事証券や証券取引所としては、「大手監査法人以外お断り」とするしかないように防衛手段がないように思えます。

なおその後、エフオーアイ社は5月21日付で破産申立てをするに至ったのですが(詳しくはコチラ)、上場から上場廃止までの最短記録を更新してしまったようです。


2010年のIPO数が2009年の19社という低い水準から、その倍程度に回復する見込みと聞いていますが、今回の事件が、長期的にそのような流れに水をさすのではないかと危惧しています。


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頑張れdocomo!

2010年01月31日
これから書くことに特別詳しいわけではないので、間違った認識があるかも知れません。
その際はご指摘頂ければと思います。


僕はこれまで携帯電話の「パケット定額制」に必要性を感じなかったので、毎月使用した分だけを支払ってきました。
使用した分と言ってもたかが知れていて、嫁さんや親しい友人とメールでやり取りをする程度なので、月間数百円。
ネットをしたい時は、自宅・会社のPCやmobileでやればいいので、それで十分でした。

ところでdocomoの「i-mode」を始めとする閉鎖的なインターネットサイトの話。
「i-mode」の開発者の方々は、ビジネススクールで講演をされるなど、「画期的なビジネスモデルを作り上げた人」として、もてはやされています(「もてはやされていました」か?)
結果論と言われればそれまでですが、私はこの「i-mode」「EZweb」「Yahoo!ケータイ」なるものの閉鎖性がイヤで、殆ど利用してきませんでした。
それにそのようなもののために、月間数千円の「定額料」を支払う気にもなれませんでした。

日本の携帯電話機能は「ガラパゴス化」などと言って揶揄されていますが、これらの閉鎖的なインターネットの世界もやはり同様だと思います。

i-modeの生みの親と言われる方たちは確かに優秀なのだと思います。
しかしそれは自社にとって数年間大きな利益をもたらす商品を開発したという点において、の話です。
確かに会社員である以上、正当な方法で自社に利益をもたらすことをやって責められる謂われはないでしょう。
しかしdocomoを含めたNTTグループの戦略というのは、ひたすら「囲い込み」です。
一度足を踏み入れると抜け出すのが面倒だったり、他に行くところもないので、当面そこにいるしかないような状況になってしまいます。

このあたりの発想は「電電公社」であった頃のNTTから脈々と受け継がれているのではないかと思います。
「電話加入権」「ISDN」など、時代の流れとともに陳腐化していくものは全て、囲い込み戦略の残骸のように思えます。
そしてこれに追随したauやSoftbankも、目の前の利益を取り敢えず追ったに過ぎないでしょう。
短期間で陳腐化するビジネスモデルを追いかけただけです。

しかしiPhoneが登場した今、「i-mode」などの閉ざされた世界に居続ける理由はなくなりました。
既にiPhoneを使いたいがために、docomoからSoftbankへ移動する動きが始まっているようです。

これからのdocomoを始めとした、携帯キャリア三社は、自社が日本国内でどれだけの存在感と重要性を担っているのか認識して、真に利便性の高いものを生み出す努力をして欲しいと思っています。
まずは「SIMロック」という下らない機能がなくなることを切に願うだけです。

「ここで遊んでくださーい!ここにしかないものがありますよー!」と、声をかけ、1億3,000万人の人たちを呼び寄せる。
そうすると同じようなサービスを提供できる会社が同じように、
「ここで遊ぶとこんな面白いものがありますよー!」と同じく1億3,000万人の人たちに声をかける。そうすると「何だ、何だ?」と一部の人たちが移動する。

その繰り返しの10年だったわけです。

「Appleがやっていることも結局は『囲い込み』じゃないか」、という向きもあるかも知れませんが、少なくとも日本の携帯キャリアがやっている囲い込みよりも、圧倒的に大きな規模の囲い込みなので、僕たちは囲い込まれても割と自由に動き回れます。

その違いは案外大きいです。


これからの会社が提供するサービスは、顧客から「積極的な理由で選んでもらえるサービス」でなければ、すぐに陳腐化してしまうのだと思います。
規制が緩和されてきている以上、当然の流れです。


以上、随分エラそうにわかったようなことを言っていますが、以上は一携帯電話ユーザーとしての個人的な意見ですのであしからず。
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地方銀行は大丈夫なのか?経営も経営陣も

2009年11月25日
株式会社穴吹工務店(香川県・資本金約57億円)が、11月24日(昨日)東京地方裁判所に会社更生手続開始の申立てを行いました。

その後、適時開示情報をチェックしていたのですが、地方銀行各社から次から次に「債権取立不能又は取立遅延のおそれに関するお知らせ」なるものがリリースされています。

上記リリースを見ていて驚いたのですが、ほとんど全ての地銀の債権が、無担保か無担保に近い状態なんですね。
僕が確認できただけでも以下のような状況です。


中国銀行    債権額約41億円  うち無担保部分約35億円
あおぞら銀行  債権額約126億円 うち無担保部分精査中
福岡銀行・親和銀行  債権額約29億円  うち無担保部分約21億円
静岡銀行    債権額約51億円  うち無担保部分約49億円
常陽銀行    債権額約21億円  うち無担保部分約15億円
青森銀行    債権額約13億円  うち無担保部分約12億円
清水銀行    債権額約6億円   うち無担保部分約6億円
鹿児島銀行   債権額約16億円  うち無担保部分非公表
高知銀行    債権額約57億円  うち無担保部分約4億円
東和銀行    債権額約12億円  うち無担保部分約11億円
岩手銀行    債権額32億円   うち無担保部分非公表
紀陽銀行    債権額約28億円  うち無担保部分約13億円
愛媛銀行    債権額約12億円  うち無担保部分約8億円
山形銀行    債権額約13億円  うち無担保部分約13億円
四国銀行    債権額約12億円  うち無担保部分なし
徳島銀行    債権額約30億円  うち無担保部分26億円
百十四銀行   債権額約55億円  うち無担保部分約41億円
阿波銀行    債権額約8億円   うち無担保部分約6億円
香川銀行    債権額約58億円  うち無担保部分約20億円

※以上11月25日18時時点・1億円未満切捨て



北は青森から南は鹿児島までずらっと並んだ地方銀行。
穴吹工務店のHPが混み合ってて表示に時間がかかるので確認してませんが、四国銀行や高知銀行は付き合いが古いか濃いのでしょう。担保を割合しっかりと取っています。

不気味なのがあおぞら銀行。債権額約126億円で、無担保部分は「精査中」とのこと。
新生銀行との合併を前に、バッドニュースであることは間違いないでしょう。

いずれにしても各地銀とも、無担保でここまで貸し出すというのは相当なリスクのはず。
ただでさえ傷んでいる地方銀行ですが、今後の穴吹工務店の行く末によっては大きな影響を受けることになりそうです。

ついでにいえば、無担保でここまで貸出しを行っていたことに対して、経営陣の責任が問われることもあるのかも知れません。












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