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契約書の管理方法 その2

2009年09月07日
以前のエントリーで、契約書の管理方法について書いたことがあるのですが、相変わらず「契約書の管理方法」で検索してこのブログに辿りつかれる方が多い状況です。
やはり皆さん、契約書の保管方法には頭を悩ませているようです。

企業法務の仕事をしていると、大量のデータや書類を扱うことになるので、その管理については、工夫が必要になります。
中には片っ端から書類を保存しておく人もいますが、私は基本的に「捨てられるものは捨てる」というスタンスで書類を処理しています。
どこかでまた入手できる可能性があるものも、ほぼ捨てます。
「捨てるかどうか、いずれ判断しよう」と、とりあえず保管しておくのは、最も避けるべき方法であり、基本的にはその都度、保存の必要性を判断することが肝要です。
このあたりのことは、下記の本が非常に参考になるので、是非一度読んでみて下さい。

なぜか、「仕事がうまくいく人」の習慣 4.0なぜか、「仕事がうまくいく人」の習慣 4.0
(2009/03/18)
ケリー・グリーソン

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しかしそうはいっても、契約書は普通捨てられませんよね。
そこで、いかにして保存をするかということが重要になってくるのですね。

契約書の保管方法には分野別に保管する方法と、検索性を重視する保管方法があると思います。
前者は、契約書の種別ごとに分ける方法。後者は「あいうえお順」や契約書に番号をふって管理する方法です。
私が採用している保管方法は、そのハイブリッド。
基本的には分野別におおまかに分類しますが、その分野の中では「あいうえお順」に並べておきます。
さらにこれとExcel(又はAccess)と連動させることによって、例えば「A社との業務委託契約ある?」と聞かれたら、即座にExcelで抽出し、該当の契約書をキャビネットから抜き出してきます。この間およそ2分といったところ。

私の会社の規模では、このレベルの管理で現状は十分です。
ただ、先日コメント欄に書いたのですが、共有フォルダに契約書のPDFファイルを保存しておいて、Excelにハイパーリンクを貼っておけば、より素早く該当の契約書を参照できるので、そのうちには、そのような管理手法をとりたい、とは思っています。

ちなみに、契約書の種類に関係なく番号をふってExcel検索をかける、という手法もいいかな、と思っているのですが、そのような方法をとっていらっしゃる方は、ご意見を下されば幸いです。





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カブドットコム証券の「調査報告書」についての一考察

2009年09月06日
カブドットコム証券の社外取締役を辞任された公認会計士の磯崎哲也さんのisologueはもちろん、CFOのための最新情報法務の国のろじゃあなどで話題となっている、同社元社員によるインサイダー取引に関する調査報告書(コレ)について、私も思うところを書いてみたいと思います。


この調査報告書自体は今年の7月17日にリリースされたもので、私はその際にざっと目を通したのですが、何人かの方が指摘されているように、論理の飛躍が目につくものであるという印象を受けました。


この調査報告書は久保利英明弁護士という、著名な弁護士を委員長とする特別調査委員会の手によるものです。
調査報告の目的は、以下のように記載されています。

①本件インサイダー取引に係る事実関係の徹底調査、②当社の情報セキュリティ態勢、コンプライアンス態勢及びその他内部管理態勢の検証、③抜本的再発防止策の提言等



上記目的のうち、①は確かにある程度の深度まで調査がなされており、目的を達成できているのではないかと思います。
しかし②のうちの「検証」と、③の「提言等」については、論理構造がお粗末であるとの印象を拭えません。

特に「報告書」の29ページ以降を読んで頂けるとよくわかるのですが、「原因」と「結果」の因果関係の認定が非常に雑であり、社員の一部の意見や、印象を原因として確定したうえで、話が進んでしまっています。

以下、少々長くなってしまうのですが、調査報告書から引用します。

繰り返し指摘したように、本件インサイダー取引は、齋藤社長の個性に根ざした経営手法に起因したものである。ワンフロア・オープンスペース体制、過度な情報共有、メール文化、役職員に対する過剰な精神的コントロール、試験偏重の形式的な人事考課など、齋藤社長の経営手法にはいくつもの特異性が認められる。創業当初のITベンチャー企業であればともかく、当社は、れっきとした上場会社であり、しかも第一種金融商品取引業(証券業)という厳しい監督に服する会社である。その点からすれば、齋藤社長の経営手法には随所で限界が見え始めている。したがって、こうした状況を打破するためには、当面齋藤氏が社長を努めるとしても、なによりもまず齋藤社長自身がこの限界を意識し、「齋藤商店」という個人商店的な色彩を払拭する改革を断行することが強く求められる。
また、齋藤社長の経営手法は、美大出身であることが影響しているのか、形式(デザイン)偏重型であって、そのことが実質を軽視する傾向を生んできた。ワンフロア・オープンスペース体制や委員間設置会社へのこだわりなどが、その例として挙げられる。その結果、外形的には組織が整っているように見えるが、その実質は、「組織」による管理というよりは、齋藤社長という「個人」による管理に陥っていた。しかし、いくら稀有な能力の持ち主であっても、個人の能力には限りがある以上、このままでは業容の拡大や企業の健全な成長は望めない。仮に、経営手法を変えることなく業容を拡大しようとすれば、今回以上の不祥事を誘発する危険性があることは、火を見るより明らかである。したがって、齋藤社長には、この点を十分に自覚し、実質を重視した着実な経営へと転換することが強く期待される。




調査委員会の委員長である久保利英明氏は弁護士であることから、当然、因果関係の認定の難しさというものは熟知されているものと思います。
民法上、不法行為などにおける被害者の立証責任をある程度軽減する必要性から、条件説や相当因果関係説といったような因果関係認定のプロセスは、いわゆるクリティカル・シンキングといった分野で学ぶ社会心理学上の因果関係の認定に比して、やや緩和されているように個人的には感じています。
しかし、今回の調査報告の目的は被害者救済ではなく、「調査」「検証」「提言」なのであるから、因果関係の認定にあたっては、より厳密に行う必要があったと思います。

社会心理学上の因果関係というのは、
①共変関係の有無
②原因が結果よりも時間的に先にあること
③第3因子の不存在
を検証したうえで、因果関係を確定します。

しかし、たとえば上記引用中、「齋藤社長の経営手法は、美大出身であることが影響しているのか、形式(デザイン)偏重型であって、そのことが実質を軽視する傾向を生んできた。」などという記載は、因果関係を雑に認定している最たるものです。
前記した因果関係認定の3つのプロセスにあてはめてみても、美大出身は形式偏重であるという共変関係は証明されていないだろうし、仮に齋藤社長が形式偏重型で実質軽視をする方であったとしても、美大出身という事実以前からそのような性質を持っていたかもしれません(時間的先後関係)。
さらにいえば、美大出身であったから形式偏重であったのではなく、従業員が気持ちよく働けるように形式を工夫していたのかも知れません(第3因子)

この一文だけを検討してみても、調査委員会の報告書は事実調査という意味では一定の価値を持つものと思いますが、原因の検証や改善の提案(改善の提案は原因の検証と表裏一体である)の側面においては、殆ど価値のないもの、むしろ誤解を招くような偏ったものに仕上がっていると考えます。

私はカブドットコム証券の齋藤社長を存じ上げません。しかし久保利弁護士の著書等はいくつか拝読したことがあり、優れた法律実務家であると認識しています。
しかし、このようなバイアスのかかったマスコミのような報告書を提出されたことには少々失望しております。
また、社外取締役である磯崎哲也公認会計士の辞任に、この報告書が影響しているとすれば、非常に残念です。
確かに、起業してから大企業になるまでには、異なるタイプの経営者に切り替わっていく段階が必要なのかも知れません(ビル・ゲイツのような例外もありますが)。
しかし、調査委員会が明確な因果関係もないまま社長の性質に原因を帰属し、そのようなことに口出しするのはいかがなものかな、と思います。


以上、ここ1ヶ月ほどぼんやりと感じていたことをまとめてみました。







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第一種衛生管理者試験を受けてきました。

2009年09月05日
先日予告したとおり、今日は第一種衛生管理者試験を受けてきました。


よく喫茶店などの調理場入り口に「食品衛生責任者 佐藤一郎」などと、店長の名前などが書いてあったりしますが、私はこの第一種衛生管理者試験を受けると決めたとき、そのようなノリの試験かと思っていました。
つまり、講習を何時間か受けて、簡単な試験があって、「はい、資格授与」というようなものかと。
なので、私の勤める会社の人事を中心とした管理部門の面々が「あー、勉強しなきゃ」と言っているのを、やや不思議に思っていたわけです。

しかし試験直前にテキストを買ってみて、少し驚きました。
結構内容が濃いのです。
しかも私にとって未知の分野ばかり。

うっかり、「第一種にします」とは言ったものの、私が勤める会社はコンサルティング会社で、有害業務を扱う会社の人を対象にした「第一種」を取得する意味は全くなかったわけです。
そうはいっても乗りかかった船ではありますので、やるからには合格したいと思うのが人間の性。
試験の4日前から、通勤時間と昼休みを勉強に充てることにしました。

ここでこの資格の説明を簡単にしようと思います。
第一種衛生管理者試験の出題範囲は、大きく分けて3つあります。

一つ目が「労働生理」。心臓のことや脳のことや神経のことなど、体のことを学びます。
これが思いのほか面白く、「へえ、膵臓ってこんなとこにあったんだねぇ・・」などと感心しながらテキストを読んでいました。

二つ目が「労働衛生」。職場の適正な温度・湿度、空気環境・照明や健康診断のことなどを学びます。
この分野の「第一種」はきついです。何せイメージが全くわかないものですから。

塩化ビニルモノマーは、クロロホルム臭のある無色透明の気体で、手指のレイノー症状(白色発作)や指の骨の溶解(指端骨溶解)、皮膚の硬化、肝障害、肝臓の血管肉腫がみられます。


・・・・?
となってしまいます。

そして三つ目が「関係法令」。
労働安全衛生法、有機溶剤中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則、酸素欠乏症等防止規則、その他聞いたこともないような法令が目白押しです。多少の知識があるのは労働基準法くらいでした。


でもね、いずれの分野もテキストを読んでると結構面白いんですよ。

しかしそうは言っても、勉強を開始したのがあまりに遅すぎた。
試験当日の朝の時点で、400ページあるテキストの半分も読めていない状態。
朝10時に家を出たので、13時半の試験開始までの3時間半のうちに全ページを読破し、過去問をさらっと確認することを目標に定めました。
私は集中力には割と自信があるのですが、さすがに試験開始前に全ページ読破は無理でした・・・
かなり速読をしたものの、三つ目の分野である「関係法令」に入ったところでタイムアップ。
これまでに読んだテキストの記憶と、今まで生きてきて身に付けた常識に頼るしかない状況で試験を受けることとなってしまいました。

試験時間は3時間あるのですが、時計を忘れた私は時間がわからず。
おまけに鉛筆と消しゴムも忘れ、たまたまカバンに入っていたシャーペンで乗り切る始末。

1時間が経過したところで試験官が、「終わった方は退室して構いません」と声を掛けてくれたので、「あっ、1時間経ったんだ」とわかりました。
44問しかないので、1時間もあれば充分に解答はできます。
問題用紙の持ち帰りが禁止されていたので、私は試験時間を使って自己採点をすることにしました。

各分野それぞれ4割の正答率かつ全体で6割の正答率で合格、と聞いていたので、それに基づいて、「自信あり」「自信なし」で正誤をつけていったところ、何とか合格レベルには達しているようでした。
まあ、そうは言っても、「自信あり」と思い込んでいるだけの部分もあるかと思うので、結果が出るまではわかりませんが・・・


試験は高田馬場の早稲田大学であったので、帰りに早稲田セミナーの購買部で、民法の書籍を買おうと寄ってみたのですが、なぜか「当面閉店」。その他の状況を見ても早稲田セミナー全体の活気が落ちていました。
早稲田セミナーといえば、司法試験・司法書士試験受験指導に関して、超有名講師がキラ星のごとくいたのですが、閑散としてしまっている状況は寂しい限りです。


それにしても早稲田の喫茶店「シャノアール」は、20年近く前から変わっていませんでした。









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非公開会社の取締役会におけるストック・オプションの割当てと特別利害関係

2009年09月04日
会社法実務上、気になったことがあり、以下に私なりにまとめてみました。
やや専門的な話になるので、興味のある方に読んで頂ければと思います。また、私の誤解に基づく記述もあるかも知れませんので、気づいた方はご指摘下されば幸いです。


Ⅰ.問題の所在
取締役会を設置している非公開会社においては、ストック・オプション(新株予約権)の割当てを取締役会で決定する必要があります。
ここで、取締役にストック・オプションを割り当てる決議をするにあたって、当該割当てを受ける取締役は、取締役会決議において、特別利害関係人に該当するのか、という問題が発生します。
特別利害関係人に該当するとすれば、当該取締役はそもそも議決に加わることができませんし、取締役会議事録を作成する上でも、当該取締役が議決に加わらなかった旨を記録として残しておくべきであるでしょう。
以下、企業法務担当者の視点で、この問題を検討してみたいと思います。

Ⅱ.特別利害関係人の範囲
まず、特別利害関係とは、弥永真生教授の定義によれば、「取締役の忠実義務違反をもたらすおそれのある、会社の利益と衝突する取締役の個人的利害関係をいう」とされています。特別利害関係株主が加わったことによって不当な株主総会決議がなされた場合は事後的に決議が取り消される可能性があるのに対して、取締役会決議において特別利害関係取締役を事前に排除するのは、まさに取締役に存する忠実義務からの要請であることから、本稿においても、この定義に従って論を進めたいと思います。

さて、会社法第369条第2項は、「(取締役会の)決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。」と定めていますが、何をもって「特別の利害関係を有する取締役」と判断するのかは、会社法上明らかにされてはいません。
しかし、上記の弥永教授の定義に従うと、「取締役の忠実義務違反をもたらすおそれのある、会社の利益と衝突する取締役の個人的利害関係」が認められれば、その取締役は特別利害関係人に該当し、取締役会決議に加わることができないことになります。
参考までに、会社法上、取締役が特別利害関係を有する例として具体的に挙げられているのは、譲渡制限株式の譲渡承認、競業取引・利益相反取引の承認、会社に対する責任の一部免除、監査役設置会社以外の会社における会社・取締役間の訴えの会社代表者の選任等です。
しかし本事例のように、取締役会において取締役が自己に対してストック・オプションを割り当てることが、会社との間で特別利害関係に該当するのかどうかについて、明確な定めは存在しません。
そこで、上記特別利害関係の定義中、①取締役の忠実義務違反をもたらすおそれの有無、②会社の利益と衝突する取締役の個人的利害関係の有無、の2点について、その双方が存するものを「特別利害関係あり」と認定すればよいのではないかと考えます。

Ⅲ.判例
この問題を検討するにあたって参考となる判例として、取締役会における代表取締役の解職決議につき、当該代表取締役が特別利害関係人に該当するかどうかが争われた事例があります。本事例においては、「当該代表取締役が私心を去って会社に対し忠実に議決権を行使することは困難だから特別利害関係を有する者にあたる」(最判昭和44・3・28)と判示されています。
つまり、上記定義を適用するならば、会社の利益と衝突する取締役の個人的利害関係があることを前提として、取締役の忠実義務違反をもたらすおそれもある、と判断されたと言えるでしょう。
この判例に対しても賛否両論があり、江頭憲治郎教授は、当該代表取締役の解職決議に解職の対象となっている取締役が加わることは「会社に対する忠実義務の遂行の一環」であることを理由として、特別利害関係人に該当しないと主張されています。つまりは、当該取締役が決議に加わること自体は、取締役の忠実義務違反をもたらさない、との意見であろうかと推察されます。
特別利害関係人を巡る議論はこのように、現時点において画一的な判断基準が示されるには至っていません。

Ⅲ.本事例への適用
上記引用判例の「私心を去って会社に対し忠実に議決権を行使することは困難だから特別利害関係を有する」という理由付けからすると、本事例におけるストック・オプションの割当てについても同様に、特別利害関係の存在が認められそうです。
なぜなら、ストック・オプションとは将来の株価上昇により経済的利益を得ることを目的として発行される以上、会社の利益と割当てを受ける取締役の個人的利害関係の衝突はあると言わざるを得ないからです。
しかしもう一つの要件である、「取締役の忠実義務違反をもたらすおそれ」については、一考の余地があるかと思います。
明確な株価というものが存在しない非公開会社においては、取締役に対するストック・オプションの付与は「報酬等のうち金銭でないもの」に該当するとされています。
つまり会社法において、取締役に対するストック・オプションの付与は「報酬等」(会社法第361条)であることが明確に定められているのです。
そうすると、取締役に対するストック・オプションの付与については、金銭的報酬とともに、株主総会においてその具体的な内容を定めておく必要があります。
ここでいう株主総会で決定する必要のあるストック・オプションの具体的な内容とは、例えば、「新株予約権100個分の公正な評価額を取締役報酬として追加する」というようなものになります。
ところで、取締役が受ける報酬等は、株主総会において総額を定め、取締役会において、それぞれの配分を決定することが認められており、取締役各々の配分を決定すること自体は「会社の利害に関わらない」ため、自己の報酬等を決定する取締役決議に加わることは「特別利害関係になら」ないとの裁判例(名古屋高裁昭和29・11・22)もあります。
つまり、いわゆるお手盛り防止の観点から、取締役の報酬等の総額は株主総会で定める必要があるものの、個々の取締役に対する配分は取締役会に一任することが適当であり、自己の報酬等を決定する取締役会の決議に加わることは、特別利害関係にあたらない、といえます。
そしてまた、このような解釈は、「報酬等のうち金銭でないもの」であるストック・オプションについても妥当するものであると考えます。

Ⅳ.結論
以上を前提とすると、非公開会社においてはストック・オプションの発行事項として、「新株予約権の内容及び数」が株主総会において決定されている以上、取締役会において新株予約権の割当てを行うことは、それが例え取締役自身に割当てるものであっても、金銭的報酬の分配とその性質は同一であり、会社と当該取締役は特別利害関係になく、割当てを受ける取締役は決議に加わることができるものと考えます。
ただしこの場合において、「報酬等のうち金銭でないもの」として、ストック・オプションの取締役への付与が、株主総会において承認されていることが前提となることを付記しておきたいと思います。

Ⅴ.補足
なお、会社と取締役の間における「新株予約権割当契約」の締結が、利益相反取引に該当するか、という点も同様に問題になります。この点に関しては、形式的には「取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をするとき」(会社法第356条第1項第2号)に該当するものの、取締役への割当の決定や、割当契約締結の承認が取締役会においてなされる以上、当然に、利益相反取引の承認も内包されているものと考えます。したがって、特段利益相反取引承認の決議を行わなかったとしても、それをもって責任を追及したり加重したりする必要はないのではないでしょうか。

Ⅵ.おまけ
以上が、私個人の見解です。
しかし私たち企業法務担当者としては、会社法務実務の出口戦略ともいえる「登記」をパスすることも、株主総会・取締役会の運営やそれらの議事録を作成する上で深く考慮すべき点であることに異論はないかと思います。
例えばストック・オプションの割当てを受けなかった取締役や、割当数に不満のある取締役から、取締役会決議の有効性を問われた場合には、上記で結論付けた理論によった反論も可能ではあるでしょう。しかし本事例につき「特別利害関係にあたらない」という明確な判例や登記先例がない以上、無難に登記を行うためには、割当てを受ける取締役を特別利害関係人として扱い、議事録に残しておく方が得策ではあるでしょう。
そしてやはり同様に、特別利害関係の場合と同様、企業法務担当者としては、利益相反取引の承認も併せて行っておく方が、間違いのない手続きといえるでしょう。



そんなわけで、せっかく考えてみた論点ではありますが、実務的には「無難にやりましょう」という、グダグダの提案になってしまいました。
とほほ・・・

参考文献は下記です。


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リーガルマインド会社法 第11版リーガルマインド会社法 第11版
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なぜか第1種衛生管理者試験を受けるのです。

2009年09月04日
ひょんなことから、「第1種衛生管理者試験」を受けることになっています。

きっかけは、人事担当者とその上司の会話。
上司「会社に衛生管理者を置かなきゃね」
人事「そうですね」
上司「じゃあ、私たちが受けようか」
人事「hiroさんにも声をかけてみましょうか。あの人変わり者だから、受けるかも知れませんよ」
上司「あー、確かにそうね。変わった本をよく読んでるし」

そんな会話があったようで、誘われた私は、案の定、「せっかくだから受けてみます」と言ってしまいました。
事前情報が一切ない(というか調べる気もなかった)中で、「せっかくだから第1種にしよう」と、皆が「第2種」を受ける中、一人だけ「第1種」を受けることに。
後で知ったのですが、「第1種」は工場とか病院とか、そんなところで働く人たち向けの「有害業務」向けだったのですね。
そんなこととは露知らず、コンサルティング会社に勤める私が何故か「第1種」を受けることになりました。

さて、試験は明後日の土曜日。
周りの皆が1ヶ月以上前から準備を着々と進める中、私は相変わらず「追い込まれないとやらない」癖が抜けていません。
さすがに2日前の火曜日から、テキストを読み始めました。
そうは言っても、読むことができる時間は、通勤電車の中と昼休みだけ。
いつも家に帰ると子供の世話やら家事やらで、本を読む時間などありません。
今日は子供を寝かしつけるのを妻に頼んで、勉強をしようと思ったのですが、このようにブログを更新するという「逃げ」の策を弄しています。

こういう「逃げ」を心理学上「自己ハンディキャッピング行動」って言うんでしたっけ?
要は、試験がうまくいかなかった時の言い訳になるような行動をして、自己のアイデンティティを守ろうとしているわけです。


しかしそうは言っても、明日金曜日一日で何とかしよう、とは思っています。
試験の内容自体はとても面白いですしね。

ちなみにテキストはこれを使っています。

U‐CANの第一種・第二種衛生管理者 速習レッスンU‐CANの第一種・第二種衛生管理者 速習レッスン
(2007/10)
ユーキャン衛生管理者試験研究会

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タイトルがデカ過ぎて恥ずかしいって・・・




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