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「税制適格ストックオプションの付与に関する調書」の話

2010年01月31日
いつも拝読している「司法書士内藤卓のLEAGAL BLOG」さんの記事。

税制適格ストックオプションの付与に関する調書の提出について



昨年ストック・オプションを発行した会社が、当該ストック・オプションを「税制適格ストック・オプション」として扱うためには、調書を明日までに税務署に提出しなくてはなりません。


忘れている方がいらっしゃれば、今から大慌てで取り掛かりましょう。
「うっかりしてました」じゃ済まない話になってしまいます。
海外に逃亡しなければ、取締役や従業員にタコ殴りにされます。


税制適格ストック・オプションの条件は、以前このBlogに纏めておいた気がしますが、纏めてなかったかも知れません。
今すぐ調べる必要がある方はググってみて下さい。

これから発行するんだよね、という方は、行使価額や行使期間を含め、かなり気を使うところですので、下記書籍を読まれることをオススメします。  

新株予約権、計算 (商業登記全書)新株予約権、計算 (商業登記全書)
(2008/10)
内藤 卓

商品詳細を見る


上記「司法書士内藤卓のLEAGAL BLOG」の内藤卓さんの本です。
実務に必要な情報をこれ以上きっちりと整理された本は、他にないと思っています。
しかも非常にマニアックな論点までカバーされています。
取得条項と行使条件を組み合わせた使い勝手のよいストック・オプションを模索していた頃の私に、大きなヒントを与えてくれた一冊です。


新株予約権・種類株式の実務―法務・会計・税務・登記新株予約権・種類株式の実務―法務・会計・税務・登記
(2009/01/05)
荒井 邦彦大村 健

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弁護士と公認会計士の共著です。
非公開会社がうっかり「募集」行為をしてしまわないためにも、金融商品取引法まで射程に入れた本書に目を通しておくことは有益かと思います。
さらにいえば、ブラック・ショールズモデルなどの、価格算定方法にも触れられているので、興味のある方にはたまらない一冊です。
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「拍手」は地味に嬉しい、という話

2010年01月31日
たいていのBlogには、「拍手」というアイコンが表示されていると思います。

これは表示させたり、させなかったりと選べるもの(少なくともFC2は、そう)なのですが、あまり利用されていないのではないかと思います。

というのも、コメントが入った場合は「返事を書こう」という気持ちが強く働くので、コメントが入ったかどうかは割ときちんとチェックしています。(僕の場合はメールで通知されるように設定しています)

しかし「拍手」。
これは正直あまりチェックしていません。
時々思い出したように、「過去30日の拍手の数」を確認する程度です。

でも実はこの「拍手」、Blogを書いている側からすると結構嬉しいものなのです。

もちろんコメントもとても嬉しいことに間違いありません。
私の駄文に対して何らかのコメントをわざわざ寄せてもらえる、というのは、Blogを書くことの醍醐味の一つでもあります。

しかし「拍手」は若干毛色が異なります。
どこのどなたかわからないけど、私の書いたものに対して拍手をしてくれているのです。
これは実にありがたいし、嬉しいことです。

昨日も一つ、どなたかわかりませんが拍手をして下さっていました。
僕はこのような「気付くと拍手をしてくれている方」を、「足長おじさん」か「小人の靴屋さん」に対する感謝の気持ちのような感覚で見ています。


そんなわけで、この場を借りてお礼を。

「拍手」をして下さっている皆さん、どなたかわかりませんが、ありがとうございます。



---------------------
(2月2日追記)
このエントリーに「拍手」して下さってる皆さん、ありがとうございます(笑)
史上最大の拍手数になっております。

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頑張れdocomo!

2010年01月31日
これから書くことに特別詳しいわけではないので、間違った認識があるかも知れません。
その際はご指摘頂ければと思います。


僕はこれまで携帯電話の「パケット定額制」に必要性を感じなかったので、毎月使用した分だけを支払ってきました。
使用した分と言ってもたかが知れていて、嫁さんや親しい友人とメールでやり取りをする程度なので、月間数百円。
ネットをしたい時は、自宅・会社のPCやmobileでやればいいので、それで十分でした。

ところでdocomoの「i-mode」を始めとする閉鎖的なインターネットサイトの話。
「i-mode」の開発者の方々は、ビジネススクールで講演をされるなど、「画期的なビジネスモデルを作り上げた人」として、もてはやされています(「もてはやされていました」か?)
結果論と言われればそれまでですが、私はこの「i-mode」「EZweb」「Yahoo!ケータイ」なるものの閉鎖性がイヤで、殆ど利用してきませんでした。
それにそのようなもののために、月間数千円の「定額料」を支払う気にもなれませんでした。

日本の携帯電話機能は「ガラパゴス化」などと言って揶揄されていますが、これらの閉鎖的なインターネットの世界もやはり同様だと思います。

i-modeの生みの親と言われる方たちは確かに優秀なのだと思います。
しかしそれは自社にとって数年間大きな利益をもたらす商品を開発したという点において、の話です。
確かに会社員である以上、正当な方法で自社に利益をもたらすことをやって責められる謂われはないでしょう。
しかしdocomoを含めたNTTグループの戦略というのは、ひたすら「囲い込み」です。
一度足を踏み入れると抜け出すのが面倒だったり、他に行くところもないので、当面そこにいるしかないような状況になってしまいます。

このあたりの発想は「電電公社」であった頃のNTTから脈々と受け継がれているのではないかと思います。
「電話加入権」「ISDN」など、時代の流れとともに陳腐化していくものは全て、囲い込み戦略の残骸のように思えます。
そしてこれに追随したauやSoftbankも、目の前の利益を取り敢えず追ったに過ぎないでしょう。
短期間で陳腐化するビジネスモデルを追いかけただけです。

しかしiPhoneが登場した今、「i-mode」などの閉ざされた世界に居続ける理由はなくなりました。
既にiPhoneを使いたいがために、docomoからSoftbankへ移動する動きが始まっているようです。

これからのdocomoを始めとした、携帯キャリア三社は、自社が日本国内でどれだけの存在感と重要性を担っているのか認識して、真に利便性の高いものを生み出す努力をして欲しいと思っています。
まずは「SIMロック」という下らない機能がなくなることを切に願うだけです。

「ここで遊んでくださーい!ここにしかないものがありますよー!」と、声をかけ、1億3,000万人の人たちを呼び寄せる。
そうすると同じようなサービスを提供できる会社が同じように、
「ここで遊ぶとこんな面白いものがありますよー!」と同じく1億3,000万人の人たちに声をかける。そうすると「何だ、何だ?」と一部の人たちが移動する。

その繰り返しの10年だったわけです。

「Appleがやっていることも結局は『囲い込み』じゃないか」、という向きもあるかも知れませんが、少なくとも日本の携帯キャリアがやっている囲い込みよりも、圧倒的に大きな規模の囲い込みなので、僕たちは囲い込まれても割と自由に動き回れます。

その違いは案外大きいです。


これからの会社が提供するサービスは、顧客から「積極的な理由で選んでもらえるサービス」でなければ、すぐに陳腐化してしまうのだと思います。
規制が緩和されてきている以上、当然の流れです。


以上、随分エラそうにわかったようなことを言っていますが、以上は一携帯電話ユーザーとしての個人的な意見ですのであしからず。
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「V字回復の経営」三枝匡

2010年01月30日
V字回復の経営V字回復の経営
(2001/09/17)
三枝 匡

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ずっと積読になっていた一冊。
ようやく読みました。

著者の三枝匡さんは、ボストン・コンサルティング・グループ等を経て、現在は株式会社ミスミグループ本社の代表取締役会長CEOを努めていらっしゃいます。
三枝会長を直接知る人間が、私の周りに3人いるのですが、「鬼のようにコワイ」という意見で一致しています(笑)
仕事に関しては相当厳しい方なのでしょう。

さて、この一冊は、太陽産業という架空の会社における「アスター事業部」なる赤字組織を、黒岩莞太という子会社社長を中心とした改革タスクフォースが再建させる「フィクション」です。
しかし著者が何度も主張しているように、著者自身が実際に携わった5つの企業再建における経験を小説化したものではあるものの、「作り話だと言われると悔しい気持ちになる」というほど、実際の経験に近いストーリーになっているようです。


本書の感想を一言で言えば、「とても面白かった」の一言につきます。
もちろん、「面白かった」だけで終っても仕方がないのですが、本書には次のような一節があります。


経営経験が豊かになるということは、「どこかで見たことのある景色」が多くなるということである。



読書というものは、他人の知識や経験をなぞるものでもあるので、本書を通して、「どこかで見たことのある景色」が自分の中に増えたことだけを考えても、本書を読んだ価値は十分にあったのではないかと思います。
つまりこれから先、私自身が企業や組織の改革(というほど大きなものでないにしても)を行うときに、本書のどこかのシーンが「どこかで見たことのある景色」として浮かべば、冷静に対応策を考えられるのではないかと思います。

現在私は勤務先で、業務改善プロジェクトのオブザーバーとして、あれやこれやと口を出しているのですが、本書から得た「経験」は、このレベルのプロジェクトにも十分転用可能だと感じています。


著者の三枝匡さんがボストン・コンサルティング・グループ出身であることから、アメリカ的な経営手法や価値観、或いは事業戦略立案のための技術がふんだんに盛り込まれている。
そう考えて読むと、ちょっと違和感があるかも知れません。
もちろん経営手法や分析技術など、いかにも外資系経営コンサルタント的な話も出てきますが、決定的に重要なのはやはり、ナマの人間を動かすための「組織論」的な考え方のようです。

このあたりの著者の考え方のモトとなっているのは、「三枝匡の経営ノート 3」と題された、章間のコラムにあるような、著者の「1960年代から2000年までの経営学の変遷」ともいうべき「経営」に対する分析なのでしょう。
このコラムを読むためだけでも本書を買う価値があるのではないかというほど、非常に興味深い内容です。

前述のように、三枝匡さんは「鬼のようにコワイ」方だそうですが、それは衰退企業を「Turnaround」させるプロフェッショナルとして、必要な厳しさなのだと思います。
でも三枝匡さんと大前研一さんの3人で仕事をする環境に放り込まれたら、多分僕は逃げ出すでしょうけど・・・

最後に、本書で黒岩莞太が語っている言葉を引用します。
おそらくは、著者の考えと一致するものだと思います。


最近の米国的感覚の投資家や証券アナリストたちは、こんな事業に経営陣が時間とエネルギーを使うこと自体が間違いで、さっさとつぶせという態度です。
しかし私はそんな安直な論理に簡単に乗る気にはなれませんでした。
株主を重要なステークホルダーだとおっしゃるのも結構でしょう。しかし株主の多くは、電話やインターネット取引で秒単位にコロコロ入れ替わっていく人々です。何のコミットもしない人々です。
しかし、日本企業の社員は20年、30年と長い人生を会社で過ごし、朝から晩まで働いてきました。会社の価値を増やす行動をとってきたのは彼らです。
ですから、私にとっては社員のほうがよほど重要なステークホルダーです。




この言葉は、本書が2001年9月という時期に出版されたことを踏まえて読むとき、より一層重みを持って感じられることでしょう。


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法務部門が独立した。

2010年01月30日
昨日で現部署での業務が終りました。
来週からは、新しい部署での仕事が始まります。

今回、法務部門が独立した部署になることになり、そこの責任者になることになりました。
主な業務は、法務・コンプライアンス・内部監査なのですが、経営に関わることから内部統制システムの構築などにも大きく関与することになります。

とはいえ、まずは一人でのスタートです。
大企業では考えられないことですが(もちろんウチの会社でも例外的措置)、当面のあいだ部下のいない部長が誕生するわけです。
これまでは総務の責任者も兼ねていたので、総務を担当する部下がいました。
しかし、今回の法務部門はとりあえず一人で立ち上げます。
いつも「(ほぼ)一人法務」と書いていたのですが、これからは堂々と「一人法務」と書けます。

もちろん今後、社内から引っ張ってくるか、外部から引っ張ってくるかはわかりませんが、法務スタッフをつけてもらえるという話にはなっているので、それまでの辛抱ではあります。

いずれにしても、今の会社に入ってからもうすぐ2年。
いよいよ責任の重い立場になってきました。

まだまだ未熟者なので、一層の努力が必要だと、気を引き締め直す週末です。
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kataさんの適時開示ビューワー ーネーミングの問題ー

2010年01月26日
Blog「企業法務について」のkataさんが、「LAW launcher for iPhone」に続いて開発をしている「適時開示ビューワー」。東京証券取引所などが行っている適時開示情報をiPhoneで見られるというすぐれものです。
(詳しくはコチラ

私は適時開示情報をチェックすることを日課にしているので、これをiPhoneでできるとなると便利なことこの上ないので、何とかkataさんをお手伝いしたいと思ったわけです。
とは言っても、私が持っているのはiPod touchなので、Wi-fi環境のあるところでないとダメなのですが・・・

そんなわけで、開発が順調に進んでいる様子であった「適時開示ビューワー」。
ある日twitterでkataさん(@katax)が、「適時開示ビューワーの名称は『i適時開示』にする」とつぶやいたことから、事件は起こりました。

私はkataさんの発言を受け、以下のようにつぶやきました。

i適時開示か・・・何かこう、もうちょっといいネームにしたいなあ・・・と思っています。



kataさんのネーミングセンスにケチをつけてみたわけです。
kataさんは文章が面白い割に、「企業法務について」という味も素っ気も無いタイトルのBlogを持っていたりして、どうやらネーミングが弱いようです(笑)

私の売ったケンカに、kataさんは以下のように応じてきました。

今週末には、申請に回すと思いますので、水曜日位までにお願いします。(と言っておけば、責任感が強く、額に肉と油性ペンで明記したhiroさんのことですから、今日中には名前だけで1000本はDL数が稼げるナイスネーミングをしてくれるのは間違いないですね。)



前後のやり取りがないと意味がわからない部分もありますが、要は「当日中に1,000ダウンロード稼げるネーミングを考えてみろよ」という挑発なわけです。

そんなの実は簡単です。
「水嶋ヒロの適時開示」とか、「嵐写真集付き適時開示」とかにすればイチコロです。

でもまあ、そんな安易な方法は採りたくないので、私なりに色々と考えてみたわけです。
そしてtwitter上でつぶやいていたのですが、関係ない皆さんのTLを汚すのが申し訳ないので、このBlogにまとめて載せておこうと考えたわけです。

まずは、dtk's blogのdtkさん(@dtk1970)のネーミング。

知る知る見せる




次にチョコっとラブ的なにかのlove_chocolateさん(@milkchocolate_)のネーミング。


「適時開示快適」
「快適時」
「適時開示野郎」
「萌え適時開示」



次に@at1117さんのネーミング。


「Take it easy 開示くん for iPhone」
「katax適時開示アプリfor iPhone」



そして私のネーミング。質より量で勝負です。


「上場企業最前線」
「適時開示Japan」
「適時開示的なにか」
「適時開示であそぼ」
「適時開ジャー」
「適時開示について」
「適時開示サバイバル」
「開示21面相」
「快適!適時開示」
「適時開示チェッカー」
「今日の適時開示」
「適時開示NOW!」
「ズームイン適時開示」
「適時開示伝」
「坂の上の適時開示」
「Timely Disclosure for iPhone」
「iPhone de Disclosure」
「TD for iPhone」
「タイムリーな開示くん」
「どこでも適時開示」
「適時な開示ちゃん」
「適時開示for iPhone」



これだけ出したのに、kataさんの反応は冷たい。


現在のところ「i適時開示」と「アルプスの少女開示」の一騎打ちです。



あとkataさんは、

「八時だョ!全員開示」



などという、全然いかしていないものも考えていました。


そんなわけで、もう少し考えてみようと思っていましたが、子供を風呂に入れて寝かせないと嫁さんが怒るので、上記の中から選んでもらおうと思います。

結果が楽しみです。

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武者小路実篤記念館にて

2010年01月19日
ここ2年ほど、週末はたいてい、近所のスーパー銭湯に行って気分転換をしています。
そして1~2ヶ月に一度は、そのスーパー銭湯で40分間のマッサージを受けて、強張った筋肉をほぐしてもらっています。
いつもPCのモニターと書類ばかり見ているので、背中や腰の血行が悪くなっているんですね。
すっかりおっさんになったものです(笑)

さて、そのような私の気分転換法に、昨年5月、新しいメニューがひとつ加わりました。
それは、武者小路実篤記念館に行くことです。

きっかけは、以前のこのエントリーなのですが、それ以来、すっかり記念館が気に入ってしまい、「武者小路実篤友の会」なるものにまで入会してしまいました。
この記念館は、ムシャ先生の自宅と公園に隣接しているので、記念館を観た後、公園をゆっくり散歩するのが気持ちいいのです。

体だけでなく精神的にも疲れが溜まっているようなとき、私は記念館に行くことにしています。
先日もふらっと行ってきました。
この記念館は2ヶ月に一回程度テーマが変わって展示品も入れ替わるので、狭いながらも何度も楽しめるところです。
原田宗典さんが言うには「武者小路実篤記念館を観て、怒って帰る人はいない」。
確かに心が休まり、じわじわとやる気が湧いてくる、そんな場所です。


先日行ったときには、ムシャ先生所蔵の絵画などが多数展示されていました。
ポール・ゴーギャンが出納簿にサラサラと書いた絵なども展示されていたのですが、絵心のない私には、長男の絵との違いがよくわからず・・・

横山大観の「霊峰不二」なる絵もあったのですが、これには圧倒されました。
一筆書きで書いたかのような富士山の絵なのですが、「これは絵と言うより『書』というべきだな」と、絵心のない私が精一杯の感想など書いてみます。

横山大観の「霊峰不二」を意識したようなムシャ先生の「富士」という書画。
横山大観の富士にはきれいな雲がかかっていてそれが印象的だったのですが、ムシャ先生の方は雲がない。
いかにもムシャ先生らしい絵です。
そして
「窓を開ければ富士山一点の雲もなく」
という言葉が添えてあります。


ところで、記念館の壁に貼ってある、ムシャ先生の年譜。
これまであまりじっくり読んでいなかったのですが、少し丁寧に読んでみました。
そうしたところ、ムシャ先生の実父である武者小路実世が遺した言葉に胸を打たれました。
実世は実篤がまだ幼い時期、35歳で亡くなっており、次のような言葉を遺しています。


この子をよく育ててくれる人があったら、
世界に一人という人間になるのだが。



自身の命が長くないことを悟った父親の、息子に対する愛情の言葉です。


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「阿修羅の心」とは何か。

2010年01月16日
忙しさにかまけて、更新が滞っていました。
仕事もまあ忙しいのですが、この1週間は飲み会やら会食やらで、ひとさまのブログもチェックできていない有様です。

今日、というか厳密には昨日は、久しぶりに勤務先の社長と飲みに行きました。
だいたい2~3ヶ月に一回くらいのペースでお誘いを受けるのですが、近日中にちょっとしたイベントがあることが決まっているので、いつもより有意義な仕事の話を聞くことができました。

私は以前から、全社戦略の基本となるべき「企業理念」や「ビジョン」といったものの重要性についてよく話をさせてもらっていました。
ただそうは言っても、私のような若造のズブの素人が戦略だ何だと言っても、経験に裏打ちされた「勘」ともいうべき商売の嗅覚も当然重要なわけで、机上の空論を振りかざす気は毛頭ありません。

私自身、もとは営業をやっていた時期もあるので、「気合と根性ではダメ」とは一概には言えないと感じています。
もちろんそれだけではダメなのは明白なのですが、精神論も仕事(特に営業)には必要な場面や状況が多々あることは確かでしょう。
いやむしろ、「思い」がないと何も成せないですね。営業に限らず。
戦略はそういった「思い」があってはじめて行動につながるわけでしょうし。

何が言いたいのかよくわからなくなってきましたが(何せ飲んだ後の朝4時ですから・・・)、今日社長に言われたことをメモしておきたいと思ったわけですね。

「生きたコンプライアンス」「人を活かすコンプライアンス」にしてね。



杓子定規にならないように、人を枠にはめることが目的にならないように、ということなんだろうな、というところでしょうか。
そもそも私はここだけの話ですが、「コンプライアンス」という言葉の一般的な使われ方があまり好きではなかったりするので、これは納得のいくところですし、私もそのつもりで臨みます。
とは言え、立場上言うことはきっちり言いますけどね。


一度目は優しく。二度目は厳しく。三度目は残酷に。



部下が悪さや同じ失敗を繰り返したときの対処についての話でした。

先日ご紹介した、城山三郎の「静かに健やかに遠くまで」の中に、

仏心では経営はできない。阿修羅の心にならなくては。


という言葉があって、その意味を考えていたのですが、何だかちょっとつながった気がします。


ある超大企業の「法務・コンプライアンス部長」なる方に社長が会った際、「今日の私は法務・コンプライアンス部長じゃなくて、法務部長ですから」という名言を吐かれたと言っていました。
このあたりのニュアンスも、わかる方にはわかって頂けるのではないかと思いますが、まあ、ある程度いろいろとありますよね。


何だか途轍もなくまとまりのない文章になってしまいましたが、明日も早いので寝ます。
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「静かに 健やかに 遠くまで」城山三郎

2010年01月11日
静かに健やかに遠くまで静かに健やかに遠くまで
(2002/02)
城山 三郎

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城山三郎というと「経済小説家」というイメージがあり、確かにそのような作品が多いのですが、その本質的な魅力は「人間に対する深い愛情と洞察力」にあるのではないかと思います。

本書はその城山三郎の作品群から、「箴言」といえるようなものを抜粋した箴言集ともいえる一冊です。
それは城山三郎として書いた言葉であったり、小説の登場人物に語らせた言葉であったりするのですが、本書にピックアップされている言葉はいずれも、城山三郎らしい「人間に対する深い愛情と洞察力」が感じられるものです。

目次をざっくりと抜粋します。


第1章 生きていく日々
第2章 会社のメカニズム
第3章 男のライフ・スタイル
第4章 サラリーマンの敗者復活戦
第5章 世わたりの秘訣
第6章 家庭の姿かたち
第7章 老後の風景



ご覧のように、会社員としてどう生きるべきか、どう考えるかという言葉が中心ですが、人生全体として仕事をどう捉えるか、家庭・老後(という言葉は好きではないですが)をどう考えるか、というテーマについても触れられています。

著者の年代的なものや考え方もあって、「男は・・・」「男とは・・・」というような言葉が多いので、そのあたりに馴染めない方もいらっしゃるかと思いますが、全体として読んでみるとバランスの取れた人間像が浮かび上がってきます。



この日
この空
この私
このところ、私はそんな風につぶやくことが多い。そうした思いで暮らしていけたら、と願っている。
自分だけの、自分なりの納得した人生――それ以上に望むところはないはずだ、と。




今日という日、今の自分にできることをきっちりやること、それができれば結果は出るかも知れないし、出ないかも知れない。しかし後悔は少ないのだろうと思います。


ひとつひとつの言葉をじっくり味わいながら読む価値のある一冊でした。

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「法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる」奥村佳史

2010年01月10日
税理士というと「中小企業や個人商店相手の仕事」とか、「弁護士・公認会計士資格を取るとついてくる資格」というイメージがあり、今ひとつパッっとしない士業として扱われることが多いように思います。

しかし、まさに中小企業や個人商店など、小規模なビジネスを行っている方々が始めに顧問契約を結んだりするのは、弁護士でも公認会計士でもなく、やはり税理士であることが圧倒的に多いでしょう。

法務担当者のいない会社は星の数ほどあれど、経理担当者のいない会社は(普通は)ありません。
同様に、弁護士に仕事を頼んだことがない会社は多くても、税理士に仕事を頼んだことがない会社というのはあまりありません。

はじめに書いたように、弁護士や公認会計士は税理士を名乗ることができます。
しかし、税務に特に力を入れている弁護士などを除いて、会社の税金のことを最もよく知っているのは間違いなく税理士です。
ただ、税理士の力量には恐ろしく個人差があります。
税金の仕組みというのは目まぐるしく変わりますし、高度に専門的な知識を要するため、知識と経験がモノをいう世界だと思います。
(ちなみに、私の実家である福岡のバイク屋に出入りしていた税理士は、(知識も人間性も)ひどいものでした。
なんせ威張っていて、店の中でタンを吐いたりという狼藉をする割には、知識は古~いままだったりという、バカな税理士でした。実名を出してやりたいくらいです。)

そのようなわけで、会社経営にとって税理士の存在というのは重要であり、それほど会社と税金というのは切っても切れない関係なわけです。


しかし、いかんせん会社に関わる税金というのは非常に複雑です。
そして会社に関わる税金は、税務調査の名の下に数年に一度は洗いざらいチェックされます。
「否認」や「反面調査」といった、会社にとって忌まわしい言葉が脳裏をよぎったりします。

そうは言っても会社が動いている以上、税金の問題から逃げるわけにはいきません。本当に逃げると脱税です(笑)
私たち企業法務担当者も管理部門のひとつであることから、会社に関わる税金のことはある程度知っておく必要があります。

「会計はだいたいわかるけど税金はちょっと・・・」とか、
「財務は面白いけど税務はつまらない」などという向きも多いかと思います。
かくいう私も、「法人税についてきちんと学ばなくては」と、自分の弱点の一つと認識しながらも、少し避けてきたところがあります。

そんな折、「総務&法務担当の部屋」さんや、「dtk' blog」さん
で紹介されていた、下記の本を読んでみました。


法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる (光文社新書)法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる (光文社新書)
(2009/11/17)
奥村佳史

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会計本ブームの先駆けとなった「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」を意識したであろう本書は、タイトルこそ大仰なものの、非常にわかりやすく会社にかかわる税金のことを解説してくれています。
まあそもそも、「法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる」わけはないですし、「法人税が分かれば」という条件自体、無理難題に近いほど複雑な世界ですので、私たち法務担当者としては、この本に書いてあるレベルのこと「+α」の知識があれば、たいていは足りるのではないかと思います。
(dtkさんが指摘されているように、「+α」に行くためのほどよい書籍の紹介は欲しいところです)


本書の中で法務担当者に最も関係が深いのは、
「第10章 取引先が倒産したら -貸倒損失と貸倒引当金ー」
でしょう。
とある日本の航空会社が会社更生法の適用を申請する見込みだというニュースが、一昨日の夕方流れましたが、このニュースの真偽や自社の債権がどうなっているかを確認された法務担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。


上記航空会社さんは別格としても、ビジネスが大きくなると貸倒損失というのは必ず一定額発生するもので、会計上の処理は終わっても、税務上貸倒損失として処理できる(=損金算入して法人税を下げる効果を発生させる)かどうかというのは、会社のキャッシュに直接関わることなので、大きな問題となります。

この「貸倒損失が認められる場合」について本書では(税法上そうなのですが)、次の3つが挙げられています。


①法律上の貸倒れ
②明らかに回収できな債権の貸倒れ
③一定期間取引停止後弁済がない場合等の貸倒れ



JALさんの件は①に該当することになりそうですが、これは非常に明快なので、法務担当者としてはこの期に至っては、粛々と手続きに則った対応をすることになります。(もちろん今後発生する債権をどうするかは別の問題)
そして、最も問題がややこしいのが②ですね。
本書にも、

「明らかに回収できない」という実態の判断が難しい


との記載がありますが、何をどうすれば損金算入できるかというのは、最終的には税務署の判断に委ねられることとなるため、税理士としても保守的な助言が多くなるように思います。

例えば、債務超過状態が数年続いている取引先で、利益も出ていないし回収は難しいだろうなあ、と考えていても、この状況だけで税務上貸倒損失とすると、税務署に「否認」される可能性が高いので税理士は反対するでしょう。
このような場合にあくまで回収を追及するのか、支払督促なり訴訟なりで①に近づけていくのか、というような判断をしていく必要があります。

繰り返しになってしまいますが、このあたりのことを最終的に決定するのは税務署なのですが、少なくとも経理担当者とともに税理士に相談できる程度の知識は、法務担当者にも必要でしょう。
その入口として本書は、丁度よいレベルの情報を得られるのではないでしょうか。
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キーボードにハチミツをこぼさないように気をつけましょう。

2010年01月09日
前にチラっと書いた、長男が「漢方を水で溶いてハチミツを入れたもの」をキーボード上に思いっきりこぼした事件。
被害にあったのは、自宅でメインPCとして使っているVAIOのA4ノートです。

キーボードのプラスチック部分を取り外して拭いてみたりしたのですが、その下の金属部分がベトベトになっていて、とてもではないのですが、修復不能な状態になってしまっています。

特に「A」「E」「R」「半角/全角」「Tab」など、キーボードの左に位置するキーの被害が大きく、10回くらい連打するとやっと反応する有様です。イメージとしては、初代ファミコンの四角ボタン(ご存知の方は30代以上のはず)で、押すと押された状態のまま戻って来なかったりします。
そのためハイパーオリンピック並(ご存知の方は30代・・・略)の連打が必要となります。
なお数字の「4」は完全に死んでいるのでナンバーロックをかけて「U」を押さないと表示されません。

そんなわけで、文章を打ち込むのに大変なストレスがかかるので、mini noteと、iPod touch が現在のメインマシンとなっています。
それでなんとなくBlogの更新も滞りがちです。

パソコンショップに問い合わせたところ、メーカー修理で2~3万円はかかるとのこと。
たかがキーボードにそこまでお金をかけたくないので、ヤフーオークションでキーボードだけ買うことにしました。
該当する機種のキーボードで程度のよいものがなかなか出品されなかったのですが、さきほど3,500円程度の即決で落札に成功しました。
これで来週にはキーボードが生き返るはずです。

ちなみにこのエントリーは、DELLのデスクトップ用のキーボードをUSB変換ケーブルでVAIOに接続して入力しました。
なんともまわりくどい方法です。

みなさんも、ハチミツだけはキーボードにこぼさないように気をつけて下さい。
こぼすときはサラッとした液体をこぼす方が得策です。




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2年前のmixiの日記をもう一つ転載してみる。

2010年01月02日
先ほどのエントリーで、2年前にmixiで書いたつまらない日記を転載してみたのですが、やはり2年前の正月に書いた日記で、ちょっと面白い(自分で言うのも何ですが・・)ものがあったので、調子に乗って転載します。



今年の大河ドラマは「篤姫」だそうです。

何者か知りません。

だいたい「姫」が主人公のドラマって、
女の世界なのであまり興味がありません。

やっぱり大河ドラマは「武将」が主人公の方が、
興味をそそられます。
男の世界です。



「篤姫」放送開始の日曜日、嫁さんが珍しく大河ドラマを観てました。
「せっかくだから毎回観ようかな」と言ってました。

チャンネルをNHKにして、コーヒーを淹れて、息子と一緒に観始めました。
オレも後ろで、なんとなく少し観てました。

嫁さんは「キッチリ最初から観る!」というタイプの人ではありません。
嫁さんがテレビの前に座った時には、既にドラマは始まっていました。

画面の中では「姫」とおぼしき人が着物を着てウロウロしています。
時代劇らしい風景です。
場面が変わると京本政樹がいつもの濃い化粧をして現れました。なんだか安っぽい音楽も流れます。
「何か軽いね・・・」
嫁さんが言いました。

でもしばらく観てました。

今度は着物を着たオバサンが大声で怒鳴っています。
「あんみつー!!」

「んっ? 今、あんみつって言わなかった?」
嫁さんが何か異変に気づいたようです。
「気のせいかな・・・」
といったその時、コマーシャルになりました。NHKのはずなのに。

さすがに嫁さんも状況を理解したようです。
そうです。嫁さんが観ていたのは「篤姫」ではなく、「あんみつ姫」だったのです。

嫁さんが息子に言いました。
「チャンネル変えた?」
「だってコッチがいいんだもん」と答える息子4歳。
「あんたドッチでもいいでしょ!わかんないんだから!」
「やだ!コッチがいい!」
そんなやりとりがしばらく続きました。

毎回観るという嫁さんの目標は、あっけなくダメになりました。



今も変わらず、同じような光景が繰り広げられている平和なわが家です。

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遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

2010年01月02日
新年の挨拶を忘れて、いきなり重たいエントリーを書いてしまいました。
上記エントリーは昨年の10月頃調べていたことで、ずーっと書きたかったテーマなので、ようやく書くことができてほっとしています。
あといくつか書きたいテーマがたまっているので、近日中にスッキリしたいと思います。


さて、遅ればせながら、
みなさん、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


お正月です。
昨日は妻の両親と一緒に初詣に行ってきました。
今日はこれから凧揚げにでも行こうと思っています。

「凧揚げといえば2年前にmixiで何か書いたなあ」と思い、殆ど廃墟と化しているmixiの日記を見てみました。
そうしたところまだきちんと残っていたので、転載しちゃいます。



みなさん、あけましておめでとうございます。
今年もよろしく。


死にそうになった大掃除も何とか終わり、
無事に新年を迎えることができました。

今日は正月らしく、息子と凧揚げをしました。
公園に向かう途中、所さん(ジョージね。)が車をかっとばしているのに遭遇しました。よく会います。

公園では同じような親子がたくさんいて、同じように凧揚げをしていました。
凧揚げに関しては子供の頃、誰よりも高く上げることに命張ってた自分です。ほかのお父さん共に負けてたまるか、とばかりに高く上げてやりました。
大成功です。
よその子供達の注目の的です。
みんな、自分のお父さんの上げる凧より、オレのあげるピカチュウの凧に気を取られています。
「あの人すごい・・・」
そんな声まで聞こえてきます。
「ほらほら!お父さんもあげたぞ!こっちを見なさい!」
などと言っているお父さん(負け犬)の声も聞こえました。
どうだ息子よ!
お父さんを尊敬しなさい。
お父さんはスゴイだろ!
息子も誇らしげです。

オチはないです。
何せ気分がとても良かったのです。
そうです。自慢です。
そんなことぐらいで調子に乗るな、と言われるかも知れませんが、
いいのです。
そんなことぐらいしか自慢できることがないんです。
何せ数日前まで無職だったのです。
無職のお父さんだったのです。
そんなお父さんが凧揚げで自信をつけて何が悪い!

いやー、爽快でした。
帰りに娘がウンチさえもらさなければ完璧でした。




丁度、病気で仕事から離れていた時期だったのですね。
「死にそうになった大掃除」とは、張り切りすぎて腰を痛めてしまったことです。
それ以来、腰痛持ちになってしまいました。

うーん、この2年で随分生活も立場も変わったものだと、我ながら感慨深いです。
しかし大人気なく、凧揚げに夢中になったりするところは全く変わっていません。
子供たちと遊ぶときは、いつもマジです。


昨年のお正月は多摩川の土手で、子供たちを眺めながら、30年・5年・1年の目標をぼんやりと考えていたのですが、案外目標を達成できているように思います。
今日もこれから多摩川で凧揚げをするので、今年の目標をやはりぼんやりと考えてみたいと思います。

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「監査役が一人の会社で、報酬の最高限度額を定めることは可能か」を検討してみた。

2010年01月02日
監査役の報酬について、会社法387条は以下のように定めています。


第387条
①監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。
②監査役が二人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める。
③監査役は、株主総会において、監査役の報酬等について意見を述べることができる。


(ここでは便宜上、金銭報酬を前提として記します)

取締役の報酬についても同様に、定款又は株主総会決議で定める必要があります。
しかし取締役の報酬については、いわゆる「お手盛り防止」が目的であって、実運用上は株主総会で最高限度額を定め、個々の取締役の報酬については取締役会で決定していることが多いかと思います。

しかし監査役の報酬については、「お手盛り防止」の要請もないわけではありませんが、定款又は株主総会決議で報酬額を定める主な目的は、「監査役の地位の独立性を確保すること」とされています。
実際には、株主総会に提案される監査役の報酬に関する議案は通常、取締役会が決定するので、監査役は株主総会において意見を述べることができるようになっているわけです。

ここで気になることが一つ。

取締役の報酬総額を例えば1億円と決定し、3人の取締役がそれぞれ3,000万円を報酬として受け取ることを取締役会で決定したとします。
これは「お手盛り防止」という目的に適うもので、1,000万円の枠が残ったとしても全く問題はありません。

しかし監査役の報酬総額を1億円と決定し、3人の監査役がそれぞれ3,000万円を報酬として受け取ることを監査役の協議によって決定した場合はどうでしょう。
この点に関しては少し議論のあるところで、「監査役の地位の独立性を確保する」という本条のねらいからすると、株主総会で定めた報酬枠を使い切らないことに問題がないわけでなく、原則として株主総会で定めた報酬枠の全額を配分すべきとの見解もあります。
しかし報酬総額の上限を決定する際に監査役が意見を述べられる建前と、個別の報酬額は監査役自身の協議によって定められる以上、監査役の地位の独立性は確保できているといえるので、枠を使い切らなくとも問題はないように思います。
また、実務上もこの解釈で運用されているようです。


しかし、ここでさらに気になることが一つ。

「監査役が1名である場合に、監査役の報酬総額を定めた場合、当該監査役の報酬はどのように定めるべきか」
これが今回のメインテーマです。

「監査役が1名であれば1名分の監査役報酬を決めればいいじゃん」という向きもあるかも知れません。
確かに正論です。しかもそれが本来あるべき姿でしょう。
しかし例えば、監査役の具体的な報酬額を公表してしまうことに抵抗がある場合や、過去に監査役が数名いたのだが現在は1名になってしまったという場合や、数年前に決議をしたままになっていたが現在の監査役にはそこまで出すわけにはいかない、などということもあるわけです。

つまり単純化すると、監査役報酬について定款や株主総会決議にて「枠」を取っているが、1名しかいない監査役の具体的な報酬額を株主総会等で決定していない場合に、会社は監査役にいくらの報酬を払えばいいのか、という問題です。

この問題の解決策は3つあるかと思います。

まず一つ目。
この時点では監査役に具体的な報酬請求権が発生していないため、即座に臨時株主総会を開催して、当該監査役の報酬を決定してしまう方法。
しかしこの方法は、株主数が多い会社では現実的ではありませんし、監査役の具体的な報酬額を公表することに抵抗がある場合には、解決策になり得ません。

二つ目。
次回開催される定時株主総会なり臨時株主総会なりで、過去に支払った監査役の報酬について遡って承認決議を行う方法。
この方法が可能なことは、「最三小判平17.2.15」にて下記のとおり示されています。


(略)株主総会の決議を経ずに役員報酬が支払われた場合であっても、これについて後に株主総会の決議を経ることにより、事後的にせよ上記の規定の趣旨目的は達せられるものということができるから、当該決議の報酬の支払は株主総会の決議に基づく適法有効なものになるというべきである。



しかしやはりこの方法においても、事後的にせよ監査役の具体的な報酬額が公表されてしまうことに変わりはありません。



そして三つ目。

監査役自身に決定してもらう方法。


会社法施行により取締役が1名しかいない株式会社が存在するようになりました。
そのような会社においては取締役会議事録に替えて「取締役決定書」などという書面を作成することがあります。
それと同様に「監査役報酬決定通知書」(もちろんタイトルはこれに限られませんが)という書面を監査役から提出してもらうことによって、具体的な報酬額を決定する方法です。
もちろん、例えば3,000万円の監査役報酬の「枠」を定款や株主総会で決議している会社において、監査役1名に対して1,000万円を報酬として払いたいと考えている場合に、当該監査役が「3,000万円に決定しました」と言ってきたら驚いてしまいます。
しかし通常であれば、監査役が就任を承諾する時点で報酬額の合意も得られているので、そのような問題が発生することはまずないと考えて良いのではないかと思います。

そして「監査役報酬決定通知書」は、以下のような書式でよいのではないかと考えます。


株式会社○○
代表取締役○○殿

          監査役報酬決定通知書

会社法第387条1項に基づき、○年○月○日開催の貴社定時株主総会において、貴社の監査役報酬は年額3,000万円以内と定められています。
本日、貴社監査役に就任するにあたり、私の監査役の報酬を下記の通り決定いたしましたので通知します。
なお、下記報酬額は会社法第387条第2項に準じ、決定いたしました。

               記
  監査役報酬:年額1,000万円
                       以上

             ○年○月○日
                  住所
                  氏名



この方法を採用したとしても、「監査役の地位の独立性の確保」という本条の目的は達せられ、また株主に不利益を与えるものでもないため、問題はないのではないかと考えています。
もちろん以上は私の個人的見解ですので、この方法を採用される場合はご自身の責任のもと行って頂きたいと思います。
しかし、下記書籍の以下の記載から、その有効性に問題はないと考えています。


「リーガルマインド会社法」弥永真生


監査役の独立性確保という立法趣旨からは、定款または株主総会においては少なくとも総額を決めるか、最高限度額および最低限度額を決めることが立法趣旨に適う。(中略)その際に決定を株主総会から委ねられる機関は通常、業務執行の意思決定機関である取締役(会)であるが、監査役(会)に独立性確保のため委ねることもできると考える。その場合はお手盛り防止の要請も生じよう。



「会社法コンメンタール(8)機関(2)」落合誠一編


なお、監査役が1人しかいないときに、定款または株主総会において同人の報酬額そのものではなくその最高限度額を定め、その範囲内で、当該監査役が自分の報酬額を決めるものとしてよいかどうかについては、名文の規定がない。しかし、そのような定め方をしても監査役の独立性の保障の趣旨には反しないし、また、上限が画されている以上は株主の利益を害することも考えにくいから、本条2項に準じた報酬等の決定方法として許容されるべきである。



「役員報酬の法律と実務」味村治・品川芳宣


監査役の員数が一人である場合に、株主総会の決議によって監査役の報酬の額の最高限度を定めた場合には、その決議の趣旨は、その額の範囲内において監査役の決定する額を監査役の報酬の額とすることにあると解すべきであり、その額の範囲内で監査役が報酬の額を決定したときは、これによって、その報酬の額が監査役と会社との間の報酬の特約の内容となって、監査役は、その額に相当する報酬請求権を取得する。





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