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新株予約権の行使条件と取得条項

2009年05月09日
ここのところ、新株予約権についていろいろと調べていました。

新株予約権、特にストック・オプションなどは、法的な問題、会計・税務上の問題、資本政策や人事戦略など、実に様々な問題が交錯します。

中でも、新株予約権に行使条件を付けるか、取得条項を付けるか、という点については、なかなか実務的に興味深い部分があります。

新株予約権に行使条件を付ける、例えば「行使時点で取締役又は従業員であれば行使できる」などという条件を設けた場合、割当てを受けた人が行使前に退任・退社してしまった場合、新株予約権は消滅します。そうすると発行済み新株予約権の数を変更する登記を2週間以内に行う必要があります。これを忘れると登記懈怠となり、科料の制裁はもちろん、上場審査に引っかかったりという厄介な問題が生じます。
もちろん登記を忘れなければ問題はないのですが、従業員にも割当てた場合、人数が多くなれば、うっかりする可能性はどうしても高くなってしまいます。

そこで最近よく使われているのが、取得条項です。
「取締役又は従業員でなくなった場合、会社はその人の新株予約権を取得できる」というような条項を付しておくのです。
こうしておけば、割当てを受けた人が退任・退社した場合、会社は新株予約権を取得し、この時点では新株予約権は消滅せず、自己新株予約権となります。
その後一定数がたまった時点で、取締役会決議を行い償却してしまい、この時点で登記義務が発生する、という設計にしておけば、登記懈怠の心配はかなり軽減されます。

しかし、ある弁護士が言うには、この取得条項、会社法上まだ一定の運用が確立していない部分があり、使い勝手が必ずしもよくないとのこと。
その弁護士がいうには取得条項よりもむしろ、「退任・退社した場合でも取締役会の決議により行使できる」という行使条件を付すことによって、取締役会の決議により遡及的に行使可能となり、新株予約権ははじめから消滅しなかった、つまり登記義務も発生しなかったことになる、そのほうが使い勝手がいいのではないか、とのことでした。

しかしこれではやはり、従業員がポコポコ辞めた場合、登記懈怠になる可能性がありそうです。
「忘れずにやればいいんですよ」と彼は言いますが、あまり地雷は埋めたくないですよね。

この問題についてはまだ答えが出ていないので、今後また検討する必要があるでしょう。

新株予約権に関しては、この1冊がオススメです。

新株予約権・種類株式の実務―法務・会計・税務・登記新株予約権・種類株式の実務―法務・会計・税務・登記
(2008/12)
荒井 邦彦大村 健

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弁護士と公認会計士の共著ということもあり、新株予約権に関する法務・税務・会計の諸問題が網羅されています。
「非公開会社の新株予約権の評価額」といった、非常にマニアックかつ重要なことにも言及されていて、実務的にはこの1冊があれば、かなりの部分まで対応できるかと思います。
私が持っているのは初版ですが、最近改訂されたようです。
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