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「ゼロからわかる契約書のつくり方」原秋彦

2009年09月09日
いつも拝読しているdtk'blog さんで紹介されていた本です。

ゼロからわかる契約書のつくり方 (PHPビジネス新書)ゼロからわかる契約書のつくり方 (PHPビジネス新書)
(2009/08/19)
原 秋彦

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まずはじめに、この本のタイトル「ゼロからわかる契約書のつくり方」は、正しくありません。
契約書に関する知識がゼロの人がこれを読んでも、決して契約書のつくり方がわかるようにはなりません。
ですので、「法務でもないのに契約書を作らなきゃいけなくなっちゃったよー!」などという方が、これを読んで何とかなる、という効用は一切期待しないほうがよいかと思います。

それを前提として、以下簡単に感想を述べたいと思います。

本書は、弁護士が契約書をどのようにドラフトし、レビューしているのかを、実際の契約書検討作業を通して知ることができるという意味において、非常に有用な一冊です。
ただ残念なのは、実例として挙げられている契約が「ソフトウェア開発契約」と「ライセンス契約」に偏り過ぎていることです。
確かにこれらの契約書に関する著者のコメントをケーススタディとして、他の契約書の起案を学ぶことは充分可能なのですが、それであればもう少し網羅的な書籍を選ぶべきかも知れません。

そうは言っても、著者の一つ一つの言葉から、大きな示唆を得られることも確かであり、ある程度契約書の起案・検討の経験がある方であれば、多くの気づきがあることと思います。

私個人の感想としては、本書は「第6章 契約書作成におけるありがちな誤解や勘違い」が、最も汎用的かつ、鋭い記述だと思います。
以下、第6章の項目を列記します。

・義務条項と権利条項の語法による明確化
・例示の具体的列挙と包括的上位概念の使用
・誠実協議条項の意義と限界
・一般条項・総則的条項の効用と限界
・準拠法の定めの意義と限界



このように、いわゆる「一般条項」と呼ばれる契約条項の存在意義については、多くの法務パーソンが疑念を持っていることと思います。
著者は、このあたりのことについて分析を加えており、一定の方向性を示唆してくれています。


そんなわけで、タイトル通りの内容を期待して読むと、挫折するかも知れませんが、ある程度民法やビジネスの知識と経験のある方であれば、本書から多くのことを学べるのではないかと思います。



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