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ベンチャー企業の法務担当者に関する一考察

2009年09月12日
法務っぽい日々さんの記事を読んで、さらにそこからリンクされているチョコっとラブ的なにかさんとKousyoublogさんの記事(この二つは以前に読んだ記憶がある)を読んで、感じたり思ったりしたことを少し書いてみたいと思います。

そもそも「ベンチャー企業」とは何か、というのがはっきりしないのですが、早稲田大学ビジネススクールの松田修一教授の定義によれば、

リスクを恐れず新しい領域に挑戦する若い企業


ということになっています。
実際の定義はもう少し要件が細かいのですが、同教授は「最低限」の条件として上記を挙げています。(興味のある方はベンチャー企業 (日経文庫―経営学入門シリーズ)を読んでみて下さい)

この定義からしても、ベンチャー企業というのは「リスクを恐れない」ものであり、リスクの予測・評価・対応が重要な任務の一つでもある法務部門を置くのは、どうしても後回しになるものでしょう。
それに皆さんが指摘されている通り、ベンチャーの立ち上げ当初はファイナンスと売上が経営者として最大の関心事でしょうから、法務部門なんて置いてられないと思います。

そして「チョコっとラブ的なにか」さんの観察眼には敬服するのですが、従業員が50人未満の頃には、管理全般を担当する人が法務的な業務も担当し、50人を超えたあたりから、専任の法務担当者を置くことを検討し始めるものだと思います。
私自身、私の勤める会社の「初代」専任法務担当者であり、状況はまあ、似たような感じではあります。
「チョコっとラブ的なにか」さんが指摘するように、上場を意識していることも、私が採用された理由の一つだと思います。

ただ、ここが一番重要な点なのですが、経営者が「法務」というものにどの程度重きを置いているか、これは経営者によって千差万別であり、一口に「ベンチャー企業」といっても、この経営者の意識次第で、法務部(や法務担当者)の役割や処遇は大きく変わるわけです。

Kousyoublogさんは、以下のようにおっしゃっています。

逆に言うと、とりあえず法務ざっくりなんでも実務経験を積みたかったらベンチャー企業で最初の法務担当者になると良いんじゃないかなと思ったりします。契約書、知財、商法会社法周りからコンプラや場合によっては訴訟や警察対応までなんでも経験出来ますよ。その代わり早く帰れない日が続くかもしれませんが・・・そういう方は頑張ってください。



これも事実だと思います。
いかに経営者が「法務」を重要視していても、いや、むしろ重要視していればこそ、「法務」に社内の情報や業務が集中してしまいます。

そしてこの状況を楽しめるか、楽しめないか、というのが、ベンチャー企業で法務担当者としてやっていけるかどうかの分岐点になるのではないかと思います。


私自身の経験と考えについても述べてみたいと思います。

私は、もとは大企業の法務部に所属していました。
しかしビジネスの大きさとは無関係に、「法務」の仕事としての面白みはあまり感じませんでした。
責任分担・承認手続・権限の限界・完成した給与体系など、一言でいえば「カタい」のが、大企業の特徴だと思います。またそれが強さの証しでもあるのでしょう。

いろいろあって今はベンチャー企業で「法務」をやっていますが、私は初めて心から仕事を楽しんでいます。
それはさきほど述べた大企業の特徴の正反対の部分が多いから、という理由が大きいと思います。
大きな責任を負い、決裁権限を大きく与えられ、給与体系も(ある程度ですが)柔軟で、法務に限らず様々な提案をすることもできる。
私にとって、こんな楽しい状況はないわけです。
かと言って、Kousyoublogが言うように、

ベンチャー企業で法務専任者が入ると、一時的にその法務担当者は死にそうな目に合う気がします。


という状況にもありません。
もちろんこれは個々の会社の状況によっても違うのでしょうが・・・
私個人の話でいえば、ほぼ定時には会社を出ます。その分、業務時間中は時間管理をきっちりやって、たまには自宅で仕事をすることもありますが・・・

あと、給与面ですが、確かに「法務担当者」の域を出ないのであれば、そう給与が大きく伸びることはないかも知れません。
私自身、入社して半年弱で、総務などの責任者を兼任し、部下をもった時点で給与が大きく伸びましたし。
「法務担当者」としての能力しか発揮できないのであれば、ベンチャー企業で給与面を期待することは難しいかも知れません。しかし「トラブルが起こった時に弁護士に相談に行けば済む」だから「弁護士費用と法務担当者の給与を比較する」という考えは少し短絡的な気がします。

私は弁護士になりたいわけではなく、そのため、法務をひたすら究めたいわけでもなく、むしろ、法務という強みをもって経営に携わりたいと考えているので、いろいろなことをいやでも経験できる今の環境は最高の環境なわけです。

実は近いうちに、法務・コンプライアンス・内部統制・内部監査・IR・経営企画などを行う新しい部署を作り、そこの責任者になる可能性が高いのですが、まさにビジネスパーソンとしての総合力を期待されているのだと思います。


以上、まとまりのない文章になってきましたが、弁護士を目指さないのであれば、法務担当者といえどもビジネスの総合力を身に付けない限りは、昇進・昇給は狙えないのであって(ましてや起業も難しい)、このようなビジネスの総合力を身に付けられるベンチャー企業で「法務」をやることは、いい勉強になるんじゃないかなあ、なんて思ってます。

そんなわけで、今後のキャリアパスに沿うものであれば、気持ちの持ち方次第では、ベンチャー企業の法務担当者も悪くないですよ。というかむしろ最高に楽しかったりしますよ。


なんてことを主張しておきたいと思います。


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