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「業務改善法務のすすめ」 高崎玄太朗弁護士 (NBL913号)

2009年09月25日
またしても「NBL913号」からの話題で恐縮ですが、今号から「業務改善法務のすすめ」と題して、高崎玄太朗弁護士の連載が開始されています。

「業務改善」を目的とした社内プロジェクトのオブザーバーとなっている私としては、これは非常に興味のあるテーマです。


高崎弁護士はこの記事において、「製造・販売・営業等の現実の商業活動を行っている部署を総称して『事業部門』という」と定義されており、法務部門がそれら事業部門の業務改善にどう関わっていくべきか、ということを論じられています。

「業務改善法務」とは、

企業が、全体最適の視点で、企業活動に伴う法的リスクを評価・検討し、発生したトラブルや問題について業務プロセスにまで踏み込んだ再発防止策を策定して業務にビルトインしていくことにより、自社の業務に伴う法的リスクを継続的に極小化していく法務


と定義付けられ、第1回目の今回は、「業務改善法務の概要」「業務改善法務における弁護士の活用方法」「業務改善法務の実践に必要な社内体制」の3点について述べられています。


第1回目の今回の記事を読んでの感想は、やや「いかに弁護士を利用するか」に力点が置かれすぎていて、中小企業やベンチャーには遠い世界の話のように感じられます。
例えば以下のような記載。

業務改善法務のアドバイザーとして弁護士を積極的に活用するのであれば、年間1,000万円の費用をかけても十分な費用対効果が得られるはずである。



中小企業やベンチャーが、自社のリスクを洗い出し改善する手はずとしては、弁護士に年間1,000万円かけるより、監査法人のショートレビューを利用して、最低限できていなければならない部分を洗い出す方が、費用的にも質的にも良いのではないかと思います。
そのうえで自社でいかにして業務改善を行うか、という考え方をする方が先決ではないかと。
もちろん、外部に指摘される前に、自社で問題点を発見することが第一であるのは当然です。


しかし今回の記事全体を通してみると、

①企業活動に伴う法的リスクはすべて事業部門の通常業務の業務プロセスの中に存在するという想定の下で、②全体最適の視点で、③事業部門と法務部門がトラブル情報と業務情報を共有して事業部門の通常業務に潜在する法的リスクを評価・検討し、④トラブルが発生または再発しないように事業部門の通常業務の業務プロセスに踏み込んだ再発防止策を策定していく



というコンセプト自体には、私は激しく同意するわけです。
私が現在進めている作業も、このコンセプトに非常に近く、特に、トラブル情報・業務情報をいかに管理部門、特に法務部門に集めるか、ということを重視しています。
ただ、④の再発防止策を業務プロセスに組み込むには、業務部門や経営陣の協力も必要なわけで、会社全体としての問題意識を高めるところからスタートする必要があるかと思います。

弁護士はもちろん法務部門というのは、業務部門が行っている業務内容や、特に営業の現場に疎いことが多く、正確な情報や問題点を現場から抽出するには、問題意識の共有とそれなりのパワーが必要となるからです。


内部監査・内部統制・コンプライアンス・業務改善。
このあたりは実際のところ渾然一体となっており、これらを取りまとめて進めていくには、法務部門が中心となるのが最も良い、というのは私の最近の持論でもあります。(もちろん内部監査は独立性が必要となりますが)
ただしその際には、経理・営業・業務部門などの協力が不可欠で、それらを協力に推し進めるには経営陣の後方支援が重要である、というところが私の感じているところです。

そのためには日頃から他部門の業務に興味を示し、話を聞いておく必要があります。また、法務部門のコンセンサスを高めるために、質の高いサービスを提供しておく必要もあります。
となると、弁護士に大きな対価を支払ってアウトソーシングする、というのはあまり実効性のある話ではないのではないかと思います。


しかしこの連載におけるテーマ自体には非常に興味がありますし、「弁護士に相談しよう!」という安易な方向に流れない限りは、とても参考になるのではないかと期待しています。
今後どのように論が展開がされていくのか注目したいと思います。








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