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弁護士会照会制度について

2009年10月16日
「企業法務マンサバイバル」のtacさんが、弁護士会照会制度についての記事を書かれています。
余計なお世話ではありますが、私の僅かながらの知識で勝手に補足なんかさせてもらおうかと思います。

今年の7月(だったかな?)「法務担当者のための民事訴訟対応マニュアル」や最近では「法務担当者のためのもう一度学ぶ民法(契約編)」などの著書で、企業法務パーソンの間で非常に評価の高い、田路至弘弁護士の2日連続セミナーに参加したのですが、そのセミナーは「民事紛争の解決法」をテーマにしていたので、「弁護士会照会制度」についても言及されていました。

その際の資料は会社に置いてきてしまっているので、今確認することができないのですが、田路先生の考えとしては、「弁護士会照会制度」は、そう強力なものではないという認識を示されていたように思います。


近時の裁判例では「法律上、報告する公的な義務を負う」というものが多数出ているほか(大阪高判平成19年1月30日ほか)、これに違反した者に対し実際に損害賠償を認めた裁判例も出てきている(京都地判平成19年1月24日)



とtacさんが指摘されているように、弁護士会照会制度の強制力や、それに応じなかった場合の損害賠償責任を認める下級審判決は出ていますが、私の知る限り最高裁レベルでは最高裁昭和56年4月14日判決しかないようであり、京都市伏見区役所は「漫然と弁護士会の照会に応じ」たことの責任を問われています。

弁護士会照会制度をより強力なものにすることは弁護士会の悲願でもあるでしょうし、情報を欲する側からすれば、数少ない情報獲得手段として期待したいところではあります。
ただ現時点では、(特に銀行など)照会を受ける側は、上記最高裁判決を意識してか、「個人情報の保護」という大義名分のもと、照会を拒むことが多いようです。しかし「個人情報の保護」という点に関しては、民事訴訟法や「弁護士会照会制度」はそのような制約を受けないことが下級審の裁判例で示されてきています。

つまるところ、裁判所としては個別具体的な事情を考慮して、必要性と許容性の観点から判断しているのではないかと思います。

ところで今年の2月に日弁連の研修会として、以下のようなものが開催されていたようです。


弁護士法23条の2による弁護士会の照会制度は、弁護士が受任事件について訴訟資料を収集し事実を調査するなどの弁護士としての職務活動を円滑に行うために創設された制度で、弁護士にとっては重要な情報収集のツールです。

昨今、個人情報保護法の施行を契機に、回答がなされるべき場合であるにもかかわらず、回答が拒否されるなどの事例が出てきており、その対応が必要になってきています。

他方で、そのような回答拒否を乗りこえるノウハウも蓄積されてきており、今回の研修では、弁護士会照会制度の実務の現状及びその改正運動について皆さんにお知らせするとともに、回答を得られ易くする工夫や具体的な活用事例の紹介を通じて、弁護士会照会の一歩進んだ活用方法についてご紹介します。



弁護士会としては、より強力な照会制度というものを確立したいと主張する一方、裁判所としては「気持ちはわかるけど無条件に認めるわけにはいかないよね」というジレンマに陥っている状況にあるのではないかと思います。

今後の成り行きに注目したいとは思いますが、tacさんもおっしゃるように、法務担当者から弁護士に提案してみるのも手かも知れません。






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