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株主名簿の「株主が株式を取得した日」はいつにすればよいのだ、という問題。

2009年10月31日
先日、「株主名簿の法定記載事項をきちんとチェックしておきましょう。」というエントリーを書いたところ、twitter上で、「法務っぽい日々」のnaominixさん(@naominixさん)が、私のエントリーに触れて下さったうえで、

基礎から学ぶ株式実務[全訂版]によると取得年月日は名義書換えの請求が受理された日なんですね



との「つぶやき」をされていました。
私もこの結論自体に異論はないのですが、以下のようにつぶやいてみました。

譲渡制限かかってても、当事者間の売買には基本的に影響はないので、本来の売買日を記載するのがスジのような気はしますよね。名義書換はあくまで対会社の問題なので。



そうしたところ、今度は「企業法務について」のkataさん(@kataxさん)が、

名義書き換え前は会社に対抗できない以上、会社-株主関係の資料である株主名簿は、名義書換請求受理日を取得日とした方が筋が通るように感じませんか?、と会社法実務に1mgもタッチしていない僕が発言してみました。



と、いつもの面白おかしい調子でつぶやいて下さいました。

ここで、「そうかも知れませんね。フフフ・・・」などと言うのが大人の対応なのかもしれませんが、敢えてしつこく、次のようにつぶやいてみました。

あっ、結構この話題面白いですね。少し調べてみようかな。譲渡承認は効力発生要件ではないので、「株式を取得した日」はあくまで実体法上の効力が生じた日(=売買の日)だと思うんですよね。実務的には請求日に統一した方が効率的でしょうけど・・・



しかし、ここで個人的にはタイムアップ。子どもたちを寝かせる時間になってしまったので、一緒に寝てしまいました。
そして今日、「せっかくだからBlogでまとめてみよう」と、こうして書いているわけです。

前置きが長くてすみません・・・
ちなみにこの話題は、いわゆる譲渡制限会社に関するものであることをここで確認しておきます。


あらためて株主名簿に関する会社法の条文を確認しておきます。


(株主名簿)
第百二十一条  株式会社は、株主名簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下「株主名簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。
一  株主の氏名又は名称及び住所
二  前号の株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
三  第一号の株主が株式を取得した日
四  株式会社が株券発行会社である場合には、第二号の株式(株券が発行されているものに限る。)に係る株券の番号



このうち第1号と第2号は、常識的に考えて、「そりゃ書かんとマズイよな」と誰でも思うところでしょう。第4号は絶滅危惧種なので、敢えて無視します。
問題となるのが第3号、

「株主が株式を取得した日」

です。

ちなみに会社法第130条第1項には、以下のような記載があります。

株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。



(第130条第1項には「株式を取得した日」は記載されていないので、「株式を取得した日」の記載の有無は、株主の第三者に対する対抗要件に影響はなく、純粋に第121条の問題、つまり会社法の要求することに会社がきちんと対応しているかどうか、の問題ですね。以上少し脱線。)


会社法に関する資料が自宅に殆どないので、google先生と多少の自分の知恵に頼るしかないのですが、いつもクールに会社法に突っ込みを入れていらっしゃる「まさるのビジネス雑記帳」さんはこの121条を、

私は、これは会社法によくある「ちょんぼ規定」の一つであると思っております。「株主名簿に記載又は記録した日」とすべきです。その日から、株式取得者を、会社としては株主として扱いましょうということです。



と一刀両断に切り捨てていらっしゃいます。

確かに「株式を取得した日」を厳密に株主名簿に反映されていたら、
「2年前に譲渡契約を締結して、その時に譲渡承認も得ているんだけど、今日、名義書換を請求します」
などということを大株主が言ったりして、「じゃあ前期の事業報告の『主要株主の状況』の記載に誤りがあったことになるではないか、なーんて問題が発生したりしかねません。

そうするとやはり、「名義書換請求があった日」を「株式を取得した日」として記載するのが合理的な判断でしょう。
しかしこれはあくまで「合理的な判断をすればそうなる」という話であって、「株式を取得した日」は本来やはり、売買契約を締結した日(ないしは、譲渡承認のあることを停止条件としている場合は、譲渡承認決議のあった日)であるはずです。

つまりバカ正直に会社法の条文に従おうとすれば、売買契約の日を株主名簿に記載する必要があることになってしまうと思うのです。
しかし、AさんとBさんが売買契約を締結したとしても、「売買契約書を見せろ」などと会社は通常要求しませんから、「Bさんが株式を取得した日→謎」などという記載をせざるを得なくなります。


何だか予想以上に長くなってきて、まとまりがなくなってきたので、そろそろ話をまとめたいと思うのですが、結論は、

「名義書換請求を受理した日」をもって、「株主が株式を取得した日」とするのが実務的には妥当なのでしょう。

ちなみに「受理した日」にするか「受領した日」にするか、一考の余地はあるかと思いますが、形式的に不備だらけの名義書換請求書を「受領」した日として記載することには若干の抵抗があるので、やはりここは「受理した日」でよいのでしょう。


こうしてつらつらと考えていくと、結論はnaominixさんがつぶやいた、

基礎から学ぶ株式実務[全訂版]によると取得年月日は名義書換えの請求が受理された日なんですね



の一言に集約されるのですが、まさるさんのおっしゃるように、「ちょんぼ規定説」が非常に有力なように思います。


しつこくて恐縮なのですが、登記の手法に従って、「原因年月日」として実際の売買契約の日(わからなければ「不詳」とする)を記載した上で、「記載(or記録)年月日」として譲渡承認請求書を受理した日を記載する、という手法も考えられますが、これはメンドーな上に実益がないですね。却下。














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