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所在不明株主の取扱いについて

2009年11月04日
またしても「司法書士内藤卓のLEGALBLOG」さん経由の情報なのですが、株式会社商船三井が、「所在不明株主の株式売却についてと題する文書をリリースしています。

で、該当する所在不明株主の一覧をココで見ることができるのですが、いろんな意味で驚きました。

まず、ここまで個人情報を公開してしまうことに対する単純な驚き。

確かに会社法では、

(株主に対する通知の省略)
第百九十六条  株式会社が株主に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、株式会社は、当該株主に対する通知又は催告をすることを要しない。



と、5年間連絡のつかない株主は放っておいていいよ、と言っており、さらに、

(株式の競売)
第百九十七条  株式会社は、次のいずれにも該当する株式を競売し、かつ、その代金をその株式の株主に交付することができる。
一  その株式の株主に対して前条第一項又は第二百九十四条第二項の規定により通知及び催告をすることを要しないもの
二  その株式の株主が継続して五年間剰余金の配当を受領しなかったもの
2  株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。
3  株式会社は、前項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
(以下省略)



と、競売するなり任意売却するなりしていいよ、と言っています。
さらに198条で「その時は公告しろよ」と言っているので、当該公告は、個人情報保護法第16条がいうところの「法令に基づく場合」に該当し、個人情報保護法違反にはならない、という理屈ではあるのでしょう。

しかし、住所・氏名・株式数などといった、超がつくほど重要な情報が、こんなに簡単に公開されてしまうことには、若干の驚きを禁じえません。


もう一つ驚いたのが、おそらく上記リンク先の一覧は、実際の株主名簿の一部であろうということ。
「株式を取得した日」という法定記載事項がないことや、電話番号や備考、属性などといった、会社として取得しているであろう情報が載っていないので、株主名簿の一部でしかないのは明らかなのですが、ある意味株主名簿のフォーマットが公開されているようで、興味深い内容です。
もちろん、株主名簿管理人である三菱UFJ信託銀行のフォーマットなのでしょうが。


ところで、話は若干変わります。
所在不明株主に対する取扱いというのは、以上のように会社法で定められているのですが、解散した投資ファンドの元組合員が所在不明の場合どうすればいいのか、というのが個人的に気になるところです。
組合形態の投資ファンドが解散した場合、譲渡承認決議を経て、直接の株主になるのが実務上の取扱いだと思うのですが、連絡がつかない元組合員に対して、会社としてはどのような対応をとるべきなのか、疑問に思っています。

このような場合、譲渡承認は投資ファンドから、組合員の名簿を添えて行われ、会社はそれを一括して承認することが多いと思います。
そのような場合、譲渡承認決議も経ているし、投資ファンドも解散してしまっているので、実体法上は、所在不明の元組合員も既に株主になっているのではないかと考えられます。
ただ、株主名簿の書換えが済んでいないので、元組合員としては、会社や第三者に対抗できないだけではないか、と、こう思うわけです。
そうするとやはり、会社法196条以降に従って、5年間は通知なり催告なりをし続ける必要があるのかな、と。
でも、株主名簿上はまだ名義書換は終わっていないので、会社としては所在不明の元組合員を株主として扱うこともはばかられるし・・・

以前上記問題をある弁護士に話したところ、「訪問するなり何なりして徹底的に探せばいいのです」という、あまり当てにならない回答が返ってきたことがあります。








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