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民法の入門書問題 その3

2009年11月21日
民法概説
(例によってamazonへリンクしていません。)

これで3度目の紹介になりますが、やはりこの一冊はいい。
民法の入門書としてはもちろん、過去にそれなりに民法の勉強をしてきた人が、民法を再度概観するのにも最適な一冊かと思います。

しつこいようですが、あくまで「概説」なので、「あっ!ここはもう少し突っ込んだ記述が欲しいな」などと思うこともありますが、条文・判例・通説にあくまでこだわった記述は、まさに企業法務担当者などの実務家向けです。

また、わかり易さ重視の姿勢が、以下のような記述にも表れています。
少し長いけど引用します。

通常の民法の解説書では、担保物件の書き出し部分には、担保物件の意義、種類、効力等が解説され、次いで、留置権、先取特権、質権、抵当権と、民法が規定する順序に従って個々の担保物件の説明がされている。しかし、この本では、抵当権を担保物件の典型として例に挙げて、人的担保と物的担保、債権者平等の原則と担保物件の順に説明した。このような論述順序になったのは、担保物件の中で抵当権が最も利用されているし、担保物件の典型である抵当権を理解することにより、ほぼ担保物件の性質をカバーすることができると考えたからである。



このように、読者の理解を促進するための工夫が全編に渡って凝らされています。
そして物権を理解するために必要な不動産登記法の話や、担保物件を理解するために必要な民事訴訟法・民事執行法・民事保全法といった手続法についても、必要最低限の説明がなされています。

初めて真剣に民法に取り組む方は、「ネコでもわかる」とか「3時間でわかる」とかの超入門書で民法の全体像をある程度捉えたうえで、本書のような入門書に挑戦してみると、案外短期間で民法の概要を理解することができるようになるのではないかと思います。

過去に真剣に民法に取り組んだけど、だいぶ記憶が薄れてきてるんだよなぁ、というような方は、本書を一通り読むことによって、(財産法の分野だけですが)記憶がよみがえってくるはずです。
でもくどいようですが「概説」なので、「ここのところ、もう少し何か論点があったよなー。何だっけなー。」というもどかしさを感じることもあるでしょうが、そこは割り切るか、他の基本書にあたりましょう。

前にも書いたような気がするのですが、企業法務をやるからには民法だけでもしっかりと学んでおくべきだと個人的には考えています。
そうすることによって、他の法令を理解するスピードが明らかに違ってくるからです。
一般法と特別法ということでいえば、ほとんどの私法は民法の特別法だと思いますので、この一事をもってして、民法を学ぶことの重要性がわかるかと思います。

債権法改正が近づく今、現行債権法の記憶を喚起しておくことも有益でしょう。


何だかエラそうなことを書いていますが、民法の学習は、野球選手の素振りみたいなもので、イチロー選手ほどのレベルにあっても、常に怠らずに取り組むべき課題のように思います。


私は数年、素振りをサボっていました・・・




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