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「法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる」奥村佳史

2010年01月10日
税理士というと「中小企業や個人商店相手の仕事」とか、「弁護士・公認会計士資格を取るとついてくる資格」というイメージがあり、今ひとつパッっとしない士業として扱われることが多いように思います。

しかし、まさに中小企業や個人商店など、小規模なビジネスを行っている方々が始めに顧問契約を結んだりするのは、弁護士でも公認会計士でもなく、やはり税理士であることが圧倒的に多いでしょう。

法務担当者のいない会社は星の数ほどあれど、経理担当者のいない会社は(普通は)ありません。
同様に、弁護士に仕事を頼んだことがない会社は多くても、税理士に仕事を頼んだことがない会社というのはあまりありません。

はじめに書いたように、弁護士や公認会計士は税理士を名乗ることができます。
しかし、税務に特に力を入れている弁護士などを除いて、会社の税金のことを最もよく知っているのは間違いなく税理士です。
ただ、税理士の力量には恐ろしく個人差があります。
税金の仕組みというのは目まぐるしく変わりますし、高度に専門的な知識を要するため、知識と経験がモノをいう世界だと思います。
(ちなみに、私の実家である福岡のバイク屋に出入りしていた税理士は、(知識も人間性も)ひどいものでした。
なんせ威張っていて、店の中でタンを吐いたりという狼藉をする割には、知識は古~いままだったりという、バカな税理士でした。実名を出してやりたいくらいです。)

そのようなわけで、会社経営にとって税理士の存在というのは重要であり、それほど会社と税金というのは切っても切れない関係なわけです。


しかし、いかんせん会社に関わる税金というのは非常に複雑です。
そして会社に関わる税金は、税務調査の名の下に数年に一度は洗いざらいチェックされます。
「否認」や「反面調査」といった、会社にとって忌まわしい言葉が脳裏をよぎったりします。

そうは言っても会社が動いている以上、税金の問題から逃げるわけにはいきません。本当に逃げると脱税です(笑)
私たち企業法務担当者も管理部門のひとつであることから、会社に関わる税金のことはある程度知っておく必要があります。

「会計はだいたいわかるけど税金はちょっと・・・」とか、
「財務は面白いけど税務はつまらない」などという向きも多いかと思います。
かくいう私も、「法人税についてきちんと学ばなくては」と、自分の弱点の一つと認識しながらも、少し避けてきたところがあります。

そんな折、「総務&法務担当の部屋」さんや、「dtk' blog」さん
で紹介されていた、下記の本を読んでみました。


法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる (光文社新書)法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる (光文社新書)
(2009/11/17)
奥村佳史

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会計本ブームの先駆けとなった「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」を意識したであろう本書は、タイトルこそ大仰なものの、非常にわかりやすく会社にかかわる税金のことを解説してくれています。
まあそもそも、「法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる」わけはないですし、「法人税が分かれば」という条件自体、無理難題に近いほど複雑な世界ですので、私たち法務担当者としては、この本に書いてあるレベルのこと「+α」の知識があれば、たいていは足りるのではないかと思います。
(dtkさんが指摘されているように、「+α」に行くためのほどよい書籍の紹介は欲しいところです)


本書の中で法務担当者に最も関係が深いのは、
「第10章 取引先が倒産したら -貸倒損失と貸倒引当金ー」
でしょう。
とある日本の航空会社が会社更生法の適用を申請する見込みだというニュースが、一昨日の夕方流れましたが、このニュースの真偽や自社の債権がどうなっているかを確認された法務担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。


上記航空会社さんは別格としても、ビジネスが大きくなると貸倒損失というのは必ず一定額発生するもので、会計上の処理は終わっても、税務上貸倒損失として処理できる(=損金算入して法人税を下げる効果を発生させる)かどうかというのは、会社のキャッシュに直接関わることなので、大きな問題となります。

この「貸倒損失が認められる場合」について本書では(税法上そうなのですが)、次の3つが挙げられています。


①法律上の貸倒れ
②明らかに回収できな債権の貸倒れ
③一定期間取引停止後弁済がない場合等の貸倒れ



JALさんの件は①に該当することになりそうですが、これは非常に明快なので、法務担当者としてはこの期に至っては、粛々と手続きに則った対応をすることになります。(もちろん今後発生する債権をどうするかは別の問題)
そして、最も問題がややこしいのが②ですね。
本書にも、

「明らかに回収できない」という実態の判断が難しい


との記載がありますが、何をどうすれば損金算入できるかというのは、最終的には税務署の判断に委ねられることとなるため、税理士としても保守的な助言が多くなるように思います。

例えば、債務超過状態が数年続いている取引先で、利益も出ていないし回収は難しいだろうなあ、と考えていても、この状況だけで税務上貸倒損失とすると、税務署に「否認」される可能性が高いので税理士は反対するでしょう。
このような場合にあくまで回収を追及するのか、支払督促なり訴訟なりで①に近づけていくのか、というような判断をしていく必要があります。

繰り返しになってしまいますが、このあたりのことを最終的に決定するのは税務署なのですが、少なくとも経理担当者とともに税理士に相談できる程度の知識は、法務担当者にも必要でしょう。
その入口として本書は、丁度よいレベルの情報を得られるのではないでしょうか。
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