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弁護士との付きあい方について思うこと

2010年02月06日
いつも拝読している「dtk'blog」のdtkさんが昨年の12月に書かれた、「お付き合いの仕方」という、いわば「企業法務担当者から見た弁護士の区分け」とでもいうべきエントリは、読みながら「そうだよなあ・・・」と思っていたのですが、最近とみに「本当にそうだよなあ・・・」と思うようになってきました。

以下、私のごく個人的な思いを、思うままに書かせて頂くので、気を悪くされる方や激怒される方や「訴えてやる!」と思う方がいらっしゃるかも知れませんが、このエントリーの趣旨を理解して頂ければ幸いです。


さて、上記エントリーでdtkさんは、お付き合いする弁護士(事務所)を、以下の5種類に分類されていました。


1. リーガル土方系:要するに人海戦術で対応する必要があるもの。大規模M&Aとかがわかりやすい。一定クオリティ/資格の人間が大量にいることが重要で、そこでは、一番上以外の弁護士の個性・能力が問われることは少ない(下っ端についてダメを出される可能性はあるけど)。その事務所に対するクライアント側の本音ベースでの評価が良かろうと悪かろうと、諸般の事情(コンフリクトの問題とか)で、使えるところが限られる場合もある。
2. 便利使い系:フットワーク(レスポンスの速さ)とキャラクター(相性)重視か。気軽に頼めることが重要。ベンチャーとかではまずここの弁護士を用意するところから始まるんだろうと思う。
3. 専門系:知財、独禁、金融、総会対応あたりがわかりやすいか。担当弁護士のバックグラウンド・経験重視というところ。
4. 老師系:それなりの大きさと歴史のある企業でありうるケース。人徳とその会社との付き合いの長さがポイント。下手な社員よりも企業カルチャーとかに詳しかったり、偉い人とも飲み友達だったりするケースも。方針とかについてご意見をお伺いするケースが多く、「この先生が言うんだったら」という格好で社内でも説得の材料としてご意見を使うこともあったりする。
5. 権威系:問題のある案件で意見書をもらって、会社側が外向けのディフェンスに使うようなケース。経歴と学識重視。



ちなみにdtkさんという方はblogでいつも控え目な発言をされていますが、その知見・見識は私など足元にも及ばないほど高いものを持っていらっしゃる方です。
もちろん私もdtkさんのことをそんなによく存じ上げているわけではないのですが、お会いしてお話させてもらったりする中で、「いやあスゴイな、この方は」と感じているわけです。

本題に戻り、弁護士の区分けというか、弁護士との付き合い方というものについて、私も最近いろいろと考えているのですが、その際に上記引用部分の、dtkさんの「区分け」がよく頭に浮かぶのです。

私の勤める会社はベンチャー企業ですので、dtkさんの慧眼のとおり、「2 便利使い系」という分類に属する事務所を顧問先としています。(「便利使い」などと言われたら怒るだろうなあ・・・)
とにかくレスポンスが早くて、幅広い業務を気軽に頼めるという意味においては、非常に助かっていますし、頼りにしています。
ただやはり、言葉は悪いのですが「便利使い系」の域を出ない。
頼むとすぐに応えてくれるし、広範囲の知識を持っているので取り敢えず何でも相談できるし、年齢的にも割と近い弁護士が担当してくれているので、気軽に相談はできます。
しかし、ちょっと「おりこうさん」過ぎるのです。

事務所自体の体質なのかも知れませんが、東大法学部卒をずらりと並べ、20代後半から30代前半にかけてアメリカのロースクールに留学に出し、戻ってきてしばらくするとパートナーにするという、一昔前の大企業のような人事戦略なのですね。

そうすると当然所属する弁護士も、「言われた仕事をしていれば大丈夫」という感覚になってしまうというものでしょう。
もちろんその事務所の全ての弁護士を知っているわけではないので、そうでない弁護士もたくさんいるのかも知れません。しかし少なくとも、私が話をしたことのある数人のその事務所の弁護士は概ね上記のような印象です。

確かに優秀で、私の拙い説明を素早く理解して整理してくれるし、よく勉強もしていて、日々遅くまで働いていらっしゃる。
しかし決定的に足りないもの、それはクライアントと一緒に問題に立ち向かうという「マインド」なのです。
もちろん私の普段の付き合い方に問題があって、「こいつのために一生懸命やるのはイヤだ」というような気持ちを持たれている可能性も否定できません。
でもね、顧問弁護士が「御社のビジネスについてよく知らないので」なんていつまでも言っているようでは困ってしまうのです。
質問したことに通り一遍の回答するだけ、では困ってしまうのです。


以前こんなことがありました。

ある問題に対して私から、「この法令のこの部分を適用すれば解決できるんじゃないかと思うのですがいかがでしょうか?」という質問をしました。
そうしたところ担当の弁護士は忙しかったようで、司法修習を終えたばかりの若手にその仕事を振ったようです。
その若手弁護士は3日後くらいに、「この法令のこの部分」に関するレポートを送ってきてくれました。
「この法令の位置づけはこうで、こういう運用が予想されて、こう解釈するべきでしょう。」というようなことがびっしり書かれていたのですが、肝心の「それを適用すれば問題が解決できる可能性」については、「後日追ってご連絡します」とだけ書いてありました。
そして後日、「適用には慎重な検討が必要です」との回答が届きました・・・

事情もあって、当面はその事務所とお付き合いをさせて頂くのですが、大企業と違い顧問先を複数持つことなど考えにくいベンチャー企業にとっては、「便利使い系」といわれる(勝手にこちらが言っているわけで失礼な話ですが・・)事務所にももう少し、「熱いマインド」を期待したいというのは、贅沢な話なのでしょうか・・・

そんなわけで、大きな問題が発生した場合には、その都度違う弁護士に仕事をお願いする方式を採って凌いでいます。


以上、何だか愚痴っぽくなってしまいましたが、50キロのスピードでクルマが流れる通りを、制限速度30キロ厳守で運転するタクシーには乗りたくないのです。


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Comment
米国弁護士もいろいろ
こんばんは。そうだよね~、等とつらつら思いながら読ませていただきました。
日本の弁護士事務所とのお付き合いはさほど多くないのですが(日本だと自社で処理してしまうことが多いんで)、米国弁護士だと思うところはいろいろあったりします。ちょっと面が割れてるところがあるので、差支えがあってあまりブログにも書けませんが(笑)。
びっくりしました。
誰のことを書いているのか分からないくらいのお褒めのお言葉を頂戴して、びっくりしました。きっと何か麗しき誤解をさせてしまっているようなので、どうしたものか。

というのはさておき、ご指摘の点、確かに難しいのですが、見方を変えると、そこをどうするかが、企業内の法務担当者の腕の見せどころではないかと言う気がします。法務の責任者になられたわけですから、率直に相手の事務所の偉い人に相談をするのもひとつの手かもしれません。
逆に、どこかの事務所と長い付き合いをする必要があるときに、こちらの事情をより良く理解してもらう必要があるなら、会社に来てもらって、ビジネスの実態について説明を各現業にさせるとか(メーカーなら製品や製造現場・研究現場を見せるとか)するのも手なのかもしれません。フィーを払ってやっても費用対効果が上がるかもしれません。事務所対会社の関係で考えると、こちらはそちらの事務所に対して、これだけのコミットをしますよ、という意思表示にもなるわけですし…。

という程度しか思いつきません。
それでは。
senriさんへ
senriさんこんにちは。
コメントありがとうございます。

愚痴のようなエントリーなので、アップしようかどうしようか迷ったのですが、「そうだよね~」と思って頂けて安心しました(笑)
今度、米国弁護士事情について教えてください。

ではでは。
dtkさんへ
dtkさんこんにちは。

ご助言ありがとうございます。
確かにそうですね。
そこをどうするかが法務の腕の見せどころという点は、ギクリとしてしまいました(笑)

事情があってあと数ヶ月はお付き合いを続ける必要があるのですが、私自身、自社の業務を理解してもらうということを諦めていたフシがあるので、そこは改めないとな、と思ってます。

いやいや、素敵なアドバイス、本当にありがとうございました。

ではでは。
No title
非常に興味深いですね。
一点お伺いしたいのが、こういった問い合わせは、顧問料の範囲内なんでしょうか?
それとも、調査として別に報酬を払って依頼しているのでしょうか?

仮に、顧問料の範囲であれば、あまり踏み込んだ意見ではなく安全な返答で済ませたいという弁護士側の心理もわかる気がします。

また、若い弁護士が調査するのも、ある程度仕方が無いのではないでしょうか。若い方が文献を読みあさる馬力がありますし、タイムチャージ制だとしたら金額も低く抑えられて、クライアントにとってもいいこともあるし。

まあ、立場が変われば見方も変わってくるんでしょうね。
法務さんへ
法務さん、おはようございます。

そのような質問は、顧問料の範囲内で対応して頂いています。
おっしゃるとおり、安全な返答や回答レベルについては、私の方でもう少し尽くすべきこともあるように思い、反省しているところです。

しかし若い弁護士が調査して文献を読みあさったとしても、最終的に顧客に回答をするにあたっては、少なくとも、「質問に対する回答になっているか」という視点は持って欲しいと思っています。
この点については、婉曲的に担当弁護士に伝えましたが・・・

ではでは。
No title
興味深く読ませていただきました。
弁護士ではありませんが法務系のサービス提供者です。

書きにくいとは思いますが、報酬をいくら払っているかも知りたいところです。例えば顧問料5万円でその範囲内で全部の相談に乗ってもらっているなら、正直こういった対応でも仕方がない面もあるかなという気がします。法律事務所も採算ラインはありますので。

ベンチャー企業さんはお金がないのはわかりますので、私は割安料金で上記2みたいなことをしているのですが、悲しくなるような報酬だけど超特急(1時間以内etc.)とか言われても、と思うこともあります。

愚痴でした。
anoさんへ
anoさん、コメントありがとうございます。

具体的な報酬額については何かと差し障りがあるので控えさせて下さい。

ただ、時間的に無理であったり、内容的に無茶であったりというようなお願いはしないように気をつけています。

お互い納得のうえで気持ちよくお付き合いしたい、というのが基本ですものね。

ではでは。

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