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ベンチャー企業のスクイ-ズアウト ―週刊isologue第58号より

2010年05月11日
今週の「週刊isologue」は、「ベンチャー企業の株主を「追い出す」方法(第1回)」というテーマで、非上場ベンチャー企業のスクイ-ズアウトの手法が紹介されています。
このあたりは、私が最も好きな分野の一つですので、いつも以上に興味深く拝読しました。

今回の記事は、


・比較的時価総額が小さいベンチャー企業で、
(VC等からのファイナンスが行われておらず、企業価値が1億円前後くらいまで)
・出て行っていただきたい株主の持株比率割合は、10%未満くらい
・出て行っていただきたい株主の株式の価値は、せいぜい数百万円レベル
・その株主が得るキャピタルゲインも百万円単位



のベンチャー企業を前提に、ベンチャー企業経営の現実を踏まえた、各種手法の検討がなされています。


はじめに「最も望ましい方法」として、

誠意をもって株主と話し合い、株式を譲ってくれるようにお願いする。

とあります。

「そりゃそうだ」

と思われる方も多いかも知れませんが、これが実はとても難しい。
退場して頂きたい株主であればあるほど、相手も当然足元を見てくるので、売却価格をふっかけてくるのは、目に見えています。

そこで「株価算定をしましょう」という話になるのは、容易に想像がつくところです。
しかし非上場企業ですのでマーケット・アプローチは採用できない、コスト・アプローチも今ひとつ、どうしてもインカム・アプローチに頼ることになってしまうことになります。

具体的にはDCF法で株価を算定することが多いかと思うのですが、DCF法も数値を操作できる余地が案外大きいので、「株価はこれです!」と言い切るのは、(相手にある程度の知識があると)難しいでしょう。
それに「その価格では売りません」と言われればそれまでですし。

とはいえ、相対売買で株式を買い取り、ご退場頂くのがベストであるのは間違いないでしょう。
まずは粘り強く、磯崎先生のおっしゃるように、誠意をもってお願いするのが得策かと思います。


そして、

「結局話がまとまらなかった場合にどうするか」

というのが、今号以降のテーマのようです。

まずは全部取得条項付種類株式を利用する方法やライブドア社が行った株式併合のスキームが紹介されています。
しかしいずれもコストと時間の問題から、冒頭に前提として記したようなベンチャー企業には「向かない」と結論付けられています。

そこで今号で詳細に紹介されているのが、「別会社を作り事業譲渡をしてしまう」方法。
この方法によってスクイ-ズアウトする手続きと、そのメリット・デメリットが事細かに解説されています。
しかしやはりこの方法を採ったとしても、円満に株主にご退場頂くのはなかなか難しいのが現実のようです。

では他に何かいい方法はないものか?
というところで次号に続くわけです。

ちなみに次号以降では、


株式交換、株式移転、貸株、現金対価組織再編等を使って、創業期のベンチャー企業に適したスクイ-ズアウトのスキームが組めないか、考えてみたいと思います。



とのことですので、いよいよ面白くなってきました。



ちなみに個人的には、以下のような方法もいいのではないかと思っています。

①単元株制度を導入し、さらに単元未満株式の譲渡承認請求権を制限する。
②ご退場頂きたい株主から買取請求が来るのを待ってみる。
③買取請求がなかった場合、②で予定していた買取価格より若干高めの金額で個別に買取りの提案をしてみる。

この方法であれば財源規制にもかかりませんし、全部取得条項付種類株式や株式併合よりも若干穏便な印象です。
また、別会社を作るよりも「小さな話」で済みます。
ただ、買取りを強制できないということと、買い取る必要のない株主まで巻き添えにしてしまうというデメリットは残ってしまいますが。


いずれにしても「週刊isologue」の次号を楽しみに待ちたいと思います。







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