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登記所の10年を振り返ってみた

2009年04月19日
今朝は早くに目が覚めて、なぜかぼんやりと昔の登記所のことを思い出していました。

先週は登記所(法務局のこと)に行く機会が多かったのですが、考えてみると私が登記所に行くようになったのは、司法書士事務所で働き始めたときからなので、10年ちょっと前のことです。
この10年間で、登記所も、登記も、随分変わったなあ、と感慨にふけってしまいました。

まず、この10年間で、登記制度が大きく変わりました。
10年前は、登記簿はまさに登記「簿」であり、コンピューター上の情報ではありませんでした。
司法書士事務所が仕事を受託するとまず、登記所に行って、登記簿を閲覧していました。
土地の登記簿は緑の表紙のバインダーに綴じられていて、建物の登記簿は赤、会社登記簿はベージュ、というようになっていました。
閲覧の申請をすると、ほどなく登記所の職員に名前を呼ばれ、閲覧室に入ります。
今では閲覧室は、登記所のほんの一角を占めるに過ぎませんが、10年前、登記所の閲覧室は今よりも広く、そして人口密度が高かったものです。
登記簿は古本のようなにおいがし、みんなが乱暴にめくるので、左下のあたりが折れていて分厚くなっていました。
そこで、自分のもっている登記簿謄本などと、登記簿の原本を見比べ、変更がないかをチェックしたりするのです。
登記簿謄本を持っていないときなどは、登記簿のうち、自分が必要とする情報を書き写したりします。
登記所備え付けの鉛筆は、たいてい「人権週間」などの刻印がされた、法務省の鉛筆です。うっかり事務所に持ち帰ってしまうこともしばしばでした。
閲覧といえば、閲覧や謄本の取得を生業とするパートの女性(フリーなのか誰かに雇われているのかは謎)が、10年前の登記所にはいつも数人いました。
彼女達は登記所に待機し、電話で指示が入り次第、閲覧や謄本の取得をし、その結果を電話やファックスで報告するのです。オンラインで登記情報を取得できるようになる以前は、そんな仕事も成り立ったのですね。


人も随分変わりました。
今の登記所は以前に比べるととても親切です。
10年前の登記所は本当にサービスが悪く、怒ったお客さんがよく、登記所の職員を怒鳴りつけていました(笑)
そういえば、こんなことがありました。
当時、5時まで開いていた登記所ですが、登記申請を受け付ける箱は4時頃に奥に引っ込められていました。そして「司法書士事務所は、登記を3時までに出すべし」というような暗黙の了解があり、3時過ぎに10連件の登記などを出すと受付でイヤミを言われたものです。
ある日、忘れもしない世田谷登記所で、やむにやまれぬ事情により4時半頃登記の申請をしたところ、受付の女性がいつも通りの無表情で「登記の申請をこの時間にされると登記事務が終わりませんので・・・」といい始めたので、「はいはいすみません」と適当に答えていたら、奥にいた茶髪の兄ちゃんが、「ばかなんだよ」とボソっと言いました。
血気盛んだった当時の私はこの一言にカチンときて、「おいこら!おまえ!」と、受付台をよじ登るような勢いで文句を言いました。「今ばかって言ったろ!」と。

さすがにばか呼ばわりされたのは、この1回だけでしたが、登記所の職員との言い争いはしょっちゅうでした。
そんな登記所職員も、今ではかなり親切になっています。私もかなり穏やかになっています。

最後にカネ。
登記にかかる登録免許税や、登記簿謄本を取得する際にかかる印紙代、そして閲覧室にあったコピー機のコピー代。
登録免許税は、高くもならず安くもならずといったところでしょうか。
土地の所有権移転にかかる登録免許税が一時的に安くなったりはしていますが、全体としてはあまり変わりません。3億円の増資をすると登録免許税が2,100,000円かかります。
登記簿謄本も相変わらず高い。1通1,000円です。しかも1通が10枚以上になると200円加算されるという、驚くべき制度はまだ存在します。
コピー機も高かった。確か10年前は1枚50円だったように記憶しています。その後40円、30円と値下げされ、今はどうなっているのでしょうか。もう登記所にコピー機はないのかも知れません。


こうしてつらつらと考えてみると、10年という月日の大きさを感じます。
これからの10年はどうなっていくのでしょう。
おそらく登記所の数は今の半数もなくなっているのではないでしょうか。
登記簿や印鑑証明書をコンビニで取得できたり、登記の申請も完全にオンライン化されたりして、登記所はサイバースペースとなっていることでしょう。
もう、ばか呼ばわりされることもないのでしょう(笑)

テレビは薄型が主流になり、私の髪も薄型に・・・


なんとなくこの10年をぼんやりと振り返った日曜日の朝でした。









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Comment
No title
小泉構造改革の結果には光と影の部分がありますが、近頃ではさかんに影の部分が取り上げられています。法務局の統廃合は以前から行われていたことではありますが、効率よいIT化社会への流れを受けて公務員の削減が加速されていったことは間違いありません。また,商業登記は,集中化が進んでいます。オンライン化が進み,法務局が多少近くになくてもいいだろうということなのでしょうか。それに,オンライン登記をするには,それなりの設備が必要で,1回だけの登記のために,そんなことをする人は,まずいません。オンライン化により,一般の方がより利用しやすくなるはずが,逆に登記をするには司法書士を介さなければ出来ない様になってしまっているのではないでしょうか?
今のままでは,国民の利便性向上のために行ったはずのオンライン化が,国民の不利益につながってしまい,失敗に終わる懸念を持っています。早急な改善が必要ではないでしょうか?
無駄なものを減らしていくことに異存はありませんが、必要とされているものが減らされ、強い後ろ盾を持った天下り組織が生き残る社会であってはなりません。
法務局(登記所)も統廃合が進み、地方から法務局がなくなっています。
都市に事務所を置く司法書士としましては便利になりますが、地域住民にすれば、これまで自転車や徒歩で行くことができていたのに、登記事項証明書一つ取るのに半日や一日がかりの仕事になってしまいます。役所がなくなることで不便になるだけでなく、ますます過疎化に拍車がかかるでしょう。
地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律(平成十三年十一月十六日法律第百二十号)が制定され,
戸籍謄本,住民票や個人の印鑑証明書は郵便局で交付を受けられるようになりました。
しかし,会社の代表者の印鑑証明書や登記事項証明書は法務局でしか交付を受けることができません。
法務局は各地で統廃合され,便宜的に市区町村役場や商工会議所に登記事項証明書等交付窓口が設置されているのみです(下記参照)。
http://www.city.musashino.lg.jp/cms/faq/00/00/97/00009730.html
詳しいことは分かりませんが、法務局の事件取扱数が一つの目安になっていることは間違いありません。しかし、これは株式会社などの営利を目的とした会社の論理であり地域住民サービスを目的とした役所としては利用する人が少なくても存続させるべきではないでしょうか。ただ,一般の方が法務局を訪れるのは相談があるときや,相続登記をするため等,そう多いことではありません。いつも利用する司法書士はともかく,一般の方は必要に迫られたときに訪れます。そんなときに法務局が近くにないのでは不便ではないでしょうか?
郵政民営化のときの過疎地の郵便局の取扱が問題になりましたが、公の仕事には効率だけで存廃を決められないものがたくさんあります。
構造改革が進んでいた数年前には、登記所の民営化の話題を耳にしたことがあります。今その話がどうなっているのかは知りませんが、登記事項証明書や公図の写しをの発行する部門は既に民間業者への委託が進んでおり、外見上は分かりませんが同じ登記所内で国家公務員と民間人が働いているのです。証明書交付窓口は民間委託されています。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/sijyouka.pdf
国も効率化を図ることは必要でしょうが、ただ単に公務員を削減しているように思えてなりません。政治家は本当に無駄な役所の部門や団体が存在していることは承知しているでしょうから、そこにメスを入れることができる人に政治をやってもらいたいものです。天下りを禁止にする前に不要な天下り先の統廃合からすべきだと思います。
せめて,登記事項証明書や会社の代表者の印鑑証明書の取得は,オンラインで法務局と郵便局のシステムを接続して,郵便局の窓口で取得できるような方法を模索すべきではないかと思います。
国の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律(仮称)を制定し,
不動産登記法,商業登記法などに必要な改正を行い,郵便局で会社の代表者の印鑑証明書や登記事項証明書を交付できるようにすべきです。

コメントありがとうございます。
堀地様、コメントありがとうございます。
堀地様がどのような立場にいらっしゃるのか存じ上げませんが、堀地様の主張される結論部分には賛成です。
もう少し法務局も国民の利便性を考える必要があると思います。
しかしやはり、ハコとしての法務局をあちこちに置いておくのは、あまりに不効率ですので、統廃合は進めるべきなのでしょうね。
ではでは。

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